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放射線

放射線取扱主任者過去問勉強法おすすめ解説、何年分やるか。

投稿日:

放射線取扱主任者試験は、

私は何度か受けて、何度か落ちました。

参考書を買ってやったのですが、

テキストをやっていると、

勉強量が多く、

何度か挫折しました。

そして私なりにたどり着いた答えを紹介しますので、

もしよかったら

ご参考にしてみてください。

多少打ち間違いなどで、

誤字脱字があるかもしれませんが、ご了承ください。

放射線取扱主任者過去問のおすすめ

放射線取扱主任者試験は、

それなりに効率よく

学習していく必要があります。

そのためには、

きちんとしたテキストと問題集が必要です。

1種
2種

ともに、

通商産業研究社から出されているものを使うとよいでしょう。

放射線概論第12版 第1種放射線取扱主任者試験受験用テキスト [ 柴田徳思 ]
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第1種放射線取扱主任者試験問題集(2020年版)
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初級放射線第11版 第2種放射線取扱主任者試験受験用テキスト [ 鶴田隆雄 ]
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第2種放射線取扱主任者試験問題集(2020年版)
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私のやり方ですが、

pdfの問題を印刷し、

誤った部分は×をつけたり、線を引いたりして覚えないようにします。

または、

すべてを正答に書き換える。ということもできます。

そうすると、

余計なことは覚えなくて済みますし、

余計な情報を入れたばかりに試験で迷うということがなくなります。

なかなかそこまでは大変ですが、

一度自分用テキストを作ってしまえば、

後からも利用できます。

放射線取扱主任者過去問は何年分やるか。

私がやった過去問は5年分です。

なぜ5年分かというと、

確かに、多くやったほうが知識の量は増えます。

しかし、

測定技術の発達は日進月歩、

法令は時々変わり、

10年前の問題が通用しない場合も時々出てきます。

また、技術が変わると、

問題傾向も変わったりするので、

参考にならない場合が出てきます。

20年前は、フィルムバッジなんかはよく出てきたのですが、

最近はほとんど出ません。

たいていの試験は、

古いものより新しい知識を問うことがほとんどです。

現在使っていないようなものを聞いても仕方ないですよね。

ですので、

私としては、5年分としたいと思います。

それが、4年か6年か、そこまで細かいことは気にしないほうが良いです。

6年やったからってやりすぎではないですし、

4年だと、ちょっと足りない可能性があるといえばありますが、

合格できる可能性はあると思います。

そこにこだわるよりも、

5年分くらいをきっちり3回やることで、

しっかり、記憶に定着させたほうが良いです。

放射線取扱主任者試験は、覚える量も多いです。

うろ覚えで解けるような甘い試験ではなく、

しっかり覚えて、理解していかなければなりません。

そのためには、5年分×3回が妥当だと私は考えます。

放射線取扱主任者過去問勉強法

放射線取扱主任者過去問勉強法 物理編

物理は、

例年、

計算問題が10問ほど占めています。

ですので、

計算問題は避けては通れません。

問題をパッと見てわからなかったら、

即答えを確認するのが良いです。

放射線取扱主任者過去問勉強法 物理編2019問1から問10

2019
問1 次の記述のうち、 相対論的立場から正しいものの組合せはどれか。
A 質量をもつ粒子の運動量は、 速度に比例する。×
B 質量をもつ粒子のド・ブロイ波長は、運動量に逆比例する。
C 質量をもつ粒子のエネルギーは運動量に比例する。×
D 光子のエネルギーは、波長に逆比例する。
E 光子の運動量は、エネルギーに比例する。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACEのみ 4 BDEのみ 5 CDEのみ

問2 NaI(T1)結晶から放出されるシンチレーション光のピーク波長 (最大発光波長) はほぼ410 nmである。410 nmの光子のエネルギー[eV]として最も近い値は、次のうちどれか。
1 1.0
2 3.0
3 6.0
4 14
5 34

2 3.0

問3 次の記述のうち、 正しいものはどれか。
1 同重体は、質量数が互いに等しい。
2 核異性体は、 核内の陽子の数と中性子の数が互いに入れ替わっている。×
3 原子核の半径は、質量数の2/3乗に比例する。×
4 原子の半径は、軌道電子数に比例する。×
5 同位体は、 核内の中性子数が互いに等しい。×

問4 次の用語のうち、 放射性壊変に直接関係のないものはどれかc
1 半減期
2 吸収端×
3 トンネル効果
4 永続平衡
5 内部転換

問5 ある短半減期核種の線源をNaI(T1)シンチレーション計数管を用いた計数装置で2秒間計数したところ、1,000カウントを得た。その後、 リセットをかけずに、そのままの状態にして全部で1,500秒間計数を続けた結果、積算計数値は90,000カウントであり、さらに計数を続行しても、計数値は変わらなかった。 ただし、 計数値はバックグラウンド計数を補正してある。 この核種の半減期[s]として最も近い値は、次のうちどれか。
1 75
2 100
3 125
4 150
5 175

3 125

問6 次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 226Raがα壊変すると222Rnが生成する。
B 226Raの放射能が37MBqである場合、 その質量は約1μgである。×
C 252Cf中性子線源は、226Ra-Be中性子線源より、線源強度[s-1]の減衰が速い。
D 中性子線源として、 中性子発生に用いる9Be(γ,n)反応および9Be(α,n)反応はどちらも発熱反応である。×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問7 40Kは、 半減期 1.25×10^9yでβ一壊変またはEC壊変する。 これらの壊変の分岐比をそれぞれ0.89、0.11とするとき、EC壊変の部分壊変定数[y-1]として最も近い値は次のうちどれか。
1 5.4×10^11 2 6.1×10^11 3 6.7×10^- ll 4 4.8×10^- 10 5 5.4×10^10
2 6.1×10^‐11

問8 2価のヘリウムイオンHe2+と 1価の水素分子イオンH2+を同じ加速電圧で加速した。 加速後のHe2+とH2+の運動エネルギーをそれぞれ E1/E2 とする と、E1/E2に最も近い値は次のうちどれかC
1 1/2 2 1  3 √2  4 2  5 4
4 2

問9 次の加速器、 加速粒子、 加速電場の組合せのうち、 適切でないものはどれか。
加速器 加速粒子 加速電場
1 コッククロフト・ワルトン型加速装置 電子、イオン 静電場
2 ファン・デ・グラーフ型加速装置 電子、イオン 静電場
3 サイクロトロン 電子、イオン 高周波×
4 シンクロトロン 電子、イオン 高周波
5 リニアック 電子、イオン 高周波

問10 次の核反応のうち発熱反応であるものの組合せはどれか。
A 6Lj(n,α)3H
B 10B(n,α)7Li
C 12C(n,α)9Be×
D 14N(n,p)14c
E 160(n,p)16N×
1 ABDのみ 2 AC Eのみ 3 AD Eのみ 4 B C Dのみ 5 B C Eのみ

放射線取扱主任者過去問勉強法 物理編2019問11から問20

問11 次の記述のうち、 誤っているものはどれか。
1 239Puは、熱中性子照射により核分裂を起こす。
2 238Uは自発核分裂を起こさない。×
3 252Cfの放射性壊変の大半はα壊変であり、 自発核分裂の分岐比は約3%である。
4 天然に存在するウラン同位体の99%以上は、238Uである。
5 252Cfは、人工的に生成される。

問12 軌道電子と直接関係のないものの組合せは、 次のうちどれか。
A 内部転換
B オージェ効果
C EC壊変
D β‐壊変×
E ラザフオード散乱×
1 AとB 2 AとC 3 BとD 4 CとE 5 DとE
5 DとE

問13 同じ速度の陽子、 重陽子及びα粒子の物質中での飛程をそれぞれRp、 Rd、 Rαとするとき、 飛程の大小関係として正しいものは、 次のうちどれか。
1 Rd >Rp ≒ Rα
2 Rp > Rd ≒ Rα
3 Rα > Rp > Rd
4 Rp > Rd > Rα
5 Rp ≒ Rd > Rα

1 Rd >Rp ≒ Rα

問14 5 MeVの電子線を鉛に入射させたときに直接起こる相互作用として、正しいものの組合せは次のうちどれか。
A コンプトン散乱×
B 制動放射
C 光電効果×
D 電離
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問15 次の文章の ア  、 イ に入る数値として、 最も適切な組合せは次のうちどれか。
ベーテの式によれば、重荷電粒子に対する衝突阻止能は、重荷電粒子の電荷の ア 2 乗およびその速度の イ ‐2 乗に比例する。
ア イ
1 -2 2 ×
2 -1 1 ×
3 1 -1 ×
4 2 2 ×
5 2 -2

問16 核子当たり 200 MeV の運動エネルギーを持つ 6 価の炭素イオンがアルミニウムの板に1.0 ×10^10 cm-2のフルェンスで入射したとき、 入射面近傍の平均の吸収線量[Gy]として、 最も近い値は次のうちどれか。 ただし、 200 MeVの陽子線のアルミニウムに対する質量阻止能の値は3.5 MeV・cm2・g-1とする。
1 2.0  2 5.6  3 34 4 120  5 200
5 200

問17 次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A コンプトン効果による散乱光子の波長は、入射光子の波長より短い。×
B コンプトン効果では、入射光子エネルギーが大きいほど、前方散乱が増大する。
C 質量数56の鉄におけるコンプトン効果の原子当たりの断面積は電子当たりの断面積の26倍である。
D コンプトン効果により生じた電子のエネルギーは、入射光子のエネルギーに等しくなることがある。
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問18 γ線スベクトロスコピーにおいて、 コンプトンェッジと全吸収ピークとのエネルギー差は、 入射光子のエネルギーが大きくなると、次のどの値[MeV]に近づくか。
1 0.128 2 0.256 3 0.511 4 1.02 5 2.04
2 0.256

問19 電子対生成に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 電子対生成によって作られた陽電子は、 同時に生成された電子と結合して消滅する。×
B 電子対生成によって作られた陽電子のエネルギーと電子のエネルギーは等しい。×
C 電子対生成の原子当たりの断面積は物質の原子番号のほぼ2乗に比例する。
D 光子と原子核の電場との相互作用により生じる。
E 電子対生成によって作られた陽電子の真空中の寿命は約15分である。 ×
1 AとB  2 AとE  3 BとD  4 CとD  5 CとE

問20 図に示す通り、 エネルギーhvの光子がコンプトン効果によりエネルギーhv’、 散乱角φで散乱され、 コンプトン電子が運動エネルギーE、運動量p、角度θで反跳されたとする。電子の質量をm、光速度をcとすると、正しい式の組合せは次のうちどれか。

A hν/c=(hν’/c)cosφ+p cos θ
B 0=(hν’/c)sinφ-p sin θ
C hν=hν’+ E
D (pc^2)=E(E+2mc^2)
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて
5 ABCDすべて

放射線取扱主任者過去問勉強法 物理編2019問21から問30

問21 運動エネルギー20 MeV中性子の速度[m・s-1]として、 最も近い値は次のうちどれか。 ただし、中性子の質量はエネルギーに換算すると939.6 MeVである。
1 4.5×10^7  2 5.1×10^7  3 5.5×10^7  4 6.1×10^7  5 6.6×10^7
4 6.1×10^7

問22 中性子が静止している標的核に正面衝突して、 標的核が入射中性子の進行方向に反跳されるときを考える。標的核が1Hまたは16Oである場合のそれぞれの反跳エネルギーをEH、EOとすると、その比(EH/EO)として最も近い値は次のうちどれか。
1 1.5  2 2.5  3 3.5  4 4.5  5 5.5
4 4.5

問23 量と単位に関する次の組合せのうち、 正しいものはどれか。
A ε値 – m2・kg・s-2
B 照射線量 – A・kg-1・s-1×
C 質量阻止能 – m4・s-2
D 衝突断面積 – m-2×
E 質量エネルギー吸収係数 – m2・kg-1
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACEのみ 4 BDEのみ 5 CDEのみ

問24 試料を1分間測定して4,800カウントを得た。次に試料を除いて3分間バックグラウンドを測定したところ、900カウントであった。この試料の正味計数率の標準偏差[cpm]として最も近い値は、次のうちどれか。
1 40  2 50  3 60  4 70  5 80
4 70

問25 イメージングプレートに関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A ガドリニウム含有蛍光体を用いることにより熱中性子の二次元分布を取得できる。
B トリチウムの二次元分布はβ線のエネルギーが低いため取得できない。×
C 一般にX線フィルムと比べて感度が低い。
D 紫外線照射で初期化が可能である。×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問26 あるシンチレーション検出器を用いて187Cs線源からのγ線による波高分布を測定したところ、図に示すような全吸収ピークが観測された。 この場合の相対エネルギー分解能%) として最も近い値は次のうちどれか。なお、図中のσは、全吸収ピークの形状をガウス分布としたときの標準偏差を表す。

1 1.8  2 2.1  3 3.6  4 4.2  5 5.4
4 4.2

問27 中性子の検出に用いる核分裂計数管に関する次の記述の うち、 適切なものの組合せはどれか。
A 235Uを計数管の内面に薄く被覆する。
B パルス波高を利用して中性子とγ線の信号を弁別できる。
C 計数管内面のウラン等の核分裂反応により放出された核分裂片は信号に寄与しない。×
D 出力パルス波高は中性子のエネルギーに比例する。×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問28 図は気体の電離を利用した検出器の印加電圧と出力パルス波高の関係を概念的に示したものである。 次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

A ①の領域では、 生成したイオン対の一部が再結合を起こす。
B ②の領域では、 生成イオン対のほとんどは集電極で集められる。
C ③の領域では、 ガス増幅により出力パルス波高は一次イオン対の数に比例する。
D ④の領域では、 出力パルス波高は一次イオン対の数に比例しない。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて
5 ABCDすべて

問29 γ線 (60 keV~1.5 MeV) の1cm線量当量の測定に関する次の記述のうち、 適切なものの組合せはどれか。
A NaI(T1)シンチレーション式サーベイメータでの正確な測定に、 エネルギー補償機能付を用いる。
B 放射性物質を取扱う指に取り付けたリングバッジで測定した。×
C 電離箱式サーベイメータで測定した。
D ZnS(Ag)シンチレーション式サーベイメータで測定した。 ×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問30 次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 1MeVの中性子と光子を人体に照射したとき、 吸収線量が同じであれば実効線量も同じである。×
B 外部被ばくによる実効線量を評価するため、 放射線管理の測定では1cm線量当量が導入されている。
C 照射線量は空気に対してのみ定義される。
D レントゲンは、 SI単位系における照射線量の固有な単位名称である。 ×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

放射線取扱主任者過去問勉強法 物理編2019問31から問32

問31 次の文章の  □  の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。 なお、 解答群の選択肢は必要に応じて2回以上使ってもよい。
 線量測定において主に用いられる物理量として、 Aカーマ と B 吸収線量 がある。前者は電気的に中性な放射線にのみ使用されるのに対し、後者は全ての放射線に対し適用される。単位は J・kg-1であるが、特別な単位としてGyを用いることも多い。
光子の A カーマ は  C エネルギーフルエンス   と質量エネルギー転移係数の積によって得ることができる。.例えば、1.25 MeVの光子が面積1cm2当たり 1.00×10^10個で一様に空気に入射した場合、 このときの質量エネルギー吸収係数および制動放射によ り 失われる電子のエネルギーの割合をそれぞれ0.0267cm2・g-1および0.3%とすると、 空気 A カーマ の値は ア 5.36×^10^-2  J・kg-1と計算できる。
実際の空気 A カーマ の測定では、  C エネルギーフルエンス  を直接測定することが困難であることから、通常は空洞電離箱が用いられる。例えば、1cm3の空気が詰められた空洞電離箱を用いて1.25 MeVの光子を測定したところ、1nCの収集電荷を得た。このとき、空洞電離箱の存在による放射線場の乱れが無視できる場合、単位質量当たりの空洞空気に転移したエネルギーは、空気のW値を34.0 eV、空気の密度を1.20 ×10^- 3g・cm-3とすると イ 2.84×10^-2  J・kg-1と算出される。ただし、この値を直接空気  A カーマ の値として採用できない点には注意が必要である。その理由は、収集電荷量は、主に電離箱の D 壁物質 中で発生した E 二次電子 による F 空気 における電離に由来するためである。 この場合、 まずは G に基づき、空洞電離箱の H 空気 の  B 吸収線量 値に H 空気 に対する電離箱の D 壁物質 の I 質量阻止能 を乗じて、電離箱の D 壁物質 における B 吸収線量 を求める。 さらに荷電粒子平衡条件により、電離箱の D 壁物質 に対する  B 吸収線量 の J 質量エネルギー吸収係数比 を乗じ、さらに制動放射により失われる電子のエネルギーの割合を加味すれば、空気 A カーマが得られる。 このような測定では、物質による違いを小さくするため、電離箱の D 壁物質 として K  グラファイト を用いることが多い。
荷電粒子平衡が成立し、 制動放射により失われる電子のエネルギーの割合が無視できる場合、A カーマ と B 吸収線量 は互いに等しくなる。

問32 次の文章の  □  の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
図は、一様な磁場中における放射線の特徴を表すために模式的に描かれた図である。真空中に置かれた鉛容器には放射線源が入つており、放射線は鉛容器の小孔でコリメートされてy-y’軸上(y→y’) に向かう向きに放出される。
(1)放射線として放出される粒子a、b及びcは、それぞれ  A α粒子、光子及び電子 である。磁界の方向は紙面に B 垂直に表から裏 に向かう向きである。
(2)粒子aは、粒子に働く  C ローレンツ力  を受けて、一定の軌道(半径.r)をとる。粒子の質量を.ma、電気素量をe、磁束密度をBとすると、粒子aの運動量は ア 2erB であり、運動エネルギーは イ 2(erB)^2/ma である。壊変前の原子核を(Z、A)で表すと、壊変エネルギーは、粒子aの運動エネルギーの ウ A/(A-4) 倍に等しく、壊変後の原子核は D (Z-2)/(Z-4) となる。ここで、Zは原子番号、Aは質量数を表す。
(3)粒子cは、図に示されているように、壊変ごとに軌道半径が異なる。この理由は壊変エネルギーの一部を E 反ニュートリノ が持ち去るためであり、粒子cのエネルギーは F 連続分布 を示す。 この壊変を G β-壊変 といい、壊変前の原子核を(Z、A) と表すと、壊変後の原子核は H (Z+1,A) となる。ここで、Zは原子番号、Aは質量数を表す。
(4)粒子bは電磁波の性質を示し、その振動数をν、ブランク定数をh、光速度をc、原子核の質量をMとすると、その運動量は エ hν/c、エネルギーは オ hν である。一方、粒子放出後の原子核の運動工ネルキーは カ (hν)^2/2Mc^2 であり、 これを I 反跳  エネルギーという。
l

放射線取扱主任者過去問勉強法化学編

化学は

やはり計算問題がある程度含まれています。

放射能や比放射能の計算は定番の問題となっていますので、

しっかり身につけましょう。

また、周期表を暗記しているだけでも取れる問題がありますので、

周期表も問題に出るようなものは覚えましょう。

放射線取扱主任者過去問勉強法化学編 2019問1から問10

問1 放射能が等しい60Co (半減期5.27年) と57Co (半減期272日) が存在するとき、 それぞれの原子核の個数の比(60Co/57Co) として、最も近い値は次のうちどれか。
1 0.14 2 0.71 3 3.6 4 7.1 5 14
4 7.1

問2 211Atは半減期7.2時間で、 42%はα壊変し、 58%はEC壊変する。 α壊変の部分、半減期[時間]として、最も近い値は次のうちどれか。
1 10 2 12 3 14 4 17 5 26
4 17

問3 40K(同位体存在度0.0117%) の半減期は1.251×10^9年である。 745.5gの塩化カリウム(式量74.55)の放射能[Bq]として、最も近い値は次のうちどれか。
1 10×10^3  2 1.2×10^4  3 37×10^4  4 1.O×10^5  5 3.7×10^5
2 1.2×10^4

問4 次のうち、 放射能が等しいものの組合せはどれか。
A 半減期T、原子数Nの核種Aの放射能
B 半減期2T、、原子数N/2の核種Bの放射能×
C 半減期T/2、原子数N/2の核種Cの放射能
D 半減期T、 原子数Nの核種Aと永続平衡にある核種Dの放射能
1 ACDのみ 2 ABのみ 3 ACのみ 4 BDのみ 5 B C Dのみ

問5 比放射能 200 Bq・mg-lの[14C]トルエンC6H5-CH3 を酸化して得られる[14C]安息香酸C6H5-C00Hの比放射能[Bq・mg-1]として、最も近い値は次のうちどれか。ただし、 トルエン、安息香酸の分子量はそれぞれ92、122とする。
1 50 2 100 3 150 4 220 5 270
3 150

問6 放射平衡に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。
1 親核種の壊変定数が娘核種の壊変定数より大きい場合は、放射平衡が成立する。×
2 放射平衡が成立しているとき、親核種の放射能は娘核種の放射能より常に大きい。×
3 放射平衡が成立すると、 娘核種の放射能は親核種の半減期で減衰する。
4 永続平衡が成立すると、親核種と娘核種の原子数の比(N親/N娘)は、親核種と娘核種の壊変定数の比(λ親/λ娘)に等しい。×
5 放射平衡が成立すると、親核種と娘核種の原子数の和は常に一定となる。 ×

問7 半減期2Tの核種Xが、 半減期 Tの核種Yに壊変するとする。 はじめにXのみが存在していて、その放射能が100Bqだったとき、Xの放射能(A1) とYの放射能(A2)の時間変化を表すグラフとして、 正しいものは次のうちどれか。

問8 211Atは、 42%がα壊変して2o7Biに、 58%はEC壊変して21iPoになる。 211Poはα壊変する。
211Atと211Poの半減期はそれぞれ7.2時間と0.52秒である。211Atと211Poが放射平衡にあるとき、211Atと211Poが単位時間に放出するα線の数をそれぞれNAt、NPoとすると、これらの比(NAt/NPo) として最も近い値は、次のうちどれか。

1 0.3  2 0.7  3 1.4  4 2.4  5 3.6
2 0.7

問9 69Gaへの陽子照射によるRIの製造に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。図は69Gaの(p,n)、(p,2n)、 (p,3n)反応の励起関数である。

A (p,3n)反応のQ値は40 MeVである。×
B いずれの核反応でも生成する核種は無担体となる。
C 十分に厚いGa標的に陽子を照射する場合、 15 MeV照射に比べて、25 MeV照射の方が、68Geの生成放射能は大きくなる。
D 40 MeVの陽子照射で.は(p,2n)反応と(p,3n)反応の核反応断面積が同程度なので、それぞれの核反応で生成する核種の放射能はほぼ等しくなる。×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問10 次の核反応のうち、 標的核と生成核の原子番号が等しい核反応の組合せはどれか。
A (γ,n)
B (n,γ)
C (p,n)×
D (d,p)
E (p,α)×
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACEのみ 4 BDEのみ 5 ODEのみ

放射線取扱主任者過去問勉強法化学編 2019問11から問20

問11 24Naを生成する反応として、 正しいものの組合せは次のうちどれか。
A 22Ne(α,pn)
B 23Na(n,γ)
C 24Mg(p,n)×
D 27A1(n,α)
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問12 天然の放射性壊変系列に属する放射性同位体がある元素として、 正しいものの組合せは次のうちどれか。
A Am×
B At
C Fr
D Pm×
E Tc ×
1 AとD  2 AとE  3 BとC  4 BとE  5 CとD

問13 リンの同位体に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 30Pはβ一壊変する。×
B 31Pは安定同位体である。
C 32Pから放射されるβ線の最大エネルギーは約0.8 MeVである。×
D 33Pの半減期は約25日である。
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとD 5 CとD

問14 陽電子放射断層撮影 (PET) で用いられる核種11C、 13N、 15O及び18Fの4核種に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 半減期は11C<13N<l50<l8Fの順に長くなる。×
B 13Nは16O(p,α)反応で製造できる。
C 15Oは14N(p,n)反応で製造できる。 ×
D 18O濃縮H20を標的として18Fを製造できる。
1 AとB 2 AとC 3 AとD  4 BとC  5 BとD

問 15 次の放射性同位体の組合せのうち、 半減期が短いものから長いものの順に並んでいる ものはどれか。
1 3H < 14C < 35S < 45Ca×
2 35S < 45Ca < l4C < 3H×
3 35S < 45Ca < 3H < 14C
4 45Ca < 35S < l4C < 3H×
5 35S < 3H < 45Ca < 14C ×

問16 壊変系列をもつ一次天然放射性核種とその最終壊変生成物として、 正しいものの組合せは次のうちどれか。
1 238U _ 207Pb×
2 234U _ 206Pb×
3 235U _ 204Pb×
4 232Th _ 208Pb
5 237Np _ 204Tl ×

問17 天然放射性核種に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 7Beは宇宙線による核破砕反応で生成する。
B 14Cは宇宙線中の陽子と14Nの核反応により生成する。×
C 40Kの壊変によって大気中の40Arが増加した。
D 235Uの同位体存在度は、 10億年前に比べて現在の方が小さい。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問18 ガラスビーカーに固着した放射性物質の除去方法に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A [45Ca]炭酸カルシウムにはアンモニア水を用いる。×
B [54Mn]酸化マンガン(IV)には希硫酸を用いる。×
C [59Fe]水酸化鉄(III)には過酸化水素水を用いる。×
D [65Zn]酸化亜鉛には希塩酸を用いる。
E [110mAg]塩化銀にはチオ硫酸ナトリウム水溶液を用いる。
1 AとB  2 AとC 3 BとD 4 CとE 5 DとE

問19 環境中の放射性ストロンチウムの分析に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。
1 発煙硝酸法は硝酸ストロンチウム沈殿の生成を利用した分離法である。
2 イオン交換樹脂法では陰イオン交換樹脂によるストロンチウム錯体の吸着を利用する。×
3 シュウ酸塩沈殿法では9oSrから生成する9oYを沈殿分離する。×
4 ジ(2一エチルヘキシル) リン酸による溶媒抽出でストロンチウムを選択的に濃縮することができる。×
5 イットリウム担体をストロンチウムの分離操作の前に試料溶液に加える必要がある。 ×

問20 次の操作のうち、化学反応の結果として放射性気体が発生するものの組合せはどれか。ただし、IM=1 mol・L^-1である。
A 1.0MK38Cl水溶液に、臭素水(Br2の水溶液)を加える。×
B 0.1M59FeS04水溶液に、 8.0 M塩酸を加える。×
C 固体Fe35Sに、1.OM塩酸を加える。
D 1.0 M42K2S04水溶液に、 2.0 M硝酸を加える。×
E 1.0 M Na214COa水溶液に、 0.5M硫酸を加える。
1 AとB  2 AとE  3 BとD  4 CとD  5 CとE

放射線取扱主任者過去問勉強法化学編 2019問21から問30

問21 鉛イオンを含む90 mLの溶液Aがある。 51Crを100 kBq・L-1含む51Cr標識クロム酸カリウム(K2Cr04)水溶液10mLを加えたところクロム酸鉛(PbCr04)が沈殿した。加えたクロム酸カリウム水溶液の濃度は0.10 mol・L-1であった。沈殿分離後の上澄み液の51Cr濃度が9.1kBq・L-1であったとき、 はじめの溶液Aに含まれていた鉛イオンの濃度[mol・L-1]として、 最も近い値は次のうちどれか。
1 0.0001 2 0.001 3 0.009 4 0.03 5 0.09
2 0.001

問22 イオン交換分離に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 強酸性陽イオン交換樹脂カラムに137Csイオンを含む水溶液を流すと、娘核種の137mBaが137Csよりも先に溶離する。×
B 強酸性陽イオン交換樹脂カラムに22Naイオンと86Rbイオンを含む水溶液を流すと、22Naが86Rbよりも先に溶離する。
C 強塩基性陰イオン交換樹脂力ラムに57Niと65Znを含む6M塩酸酸性溶液を流すと、65Znが57Niより先に溶離する。×
D 強塩基性陰イオン交換樹脂力ラムに38Clーイオンを含む水溶液を流すと、38Cl-イオンが吸着する。
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問23 放射性核種を水溶液から取り除く方法として、 適切なものの組合せは次のうちどれか。
A 24Na2S04水溶液に塩化バリウム水溶液を加える。×
B 42KBr水溶液を陽イオン交換樹脂カラムに通す。
C 57NiCl2水溶液をジメチルグリオキシムのエーテル溶液と振り混ぜる。
D 65Zn(NO3)2水溶液に銅板を入れる。 ×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問24 トリチウムの標識化合物の生成に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 安息香酸と炭酸リチウムの混合物を熱中性子照射すると、 安息香酸はトリチウムで標識される。
B グリニャール試薬(R-MgBr)とトリチウム水(HT0)を反応させると、 トリチウムで標識されたR-Tが生成される。
C トルエンとトリチウムガスを密封容器に入れて数日間放置すると、 トルエンはトリチウムで標識される。
D ウイルツバッハ法は、 特定の位置の水素を標識した化合物を作ることができる。×
1 ABCのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問25 試料中の成分Xを定量するために、 40 mgの標識した成分X (比放射能270 Bq・mg-1) を試料に添加し、 よく混合して均一にした。その後、成分Xの一部を純粋に分離したところ、比放射能は90 Bq・mg-1であった。 試料中の成分Xの量[mg]として最も近い値は、 次のうちどれか。
1 50  2 60  3 70  4 80  5 90
4 80

問26 ホットアトム効果に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 熱中性子照射したへキサァンミンコバルト(II[)硝酸塩Co(NH3)63を水に溶かすと、60Co2+が得られた。
B 熱中性子照射したへキサシアニド鉄(II)酸カリウム三水和物K4[Fe(CN)6]・3H20を塩酸に溶かしてエーテルを加えると、 59Feが有機相に抽出された。
C 56Fe2+を含む水溶液に60Coのγ線照射をすると、 55Fe3+が生成した。×
D 熱中性子照射したクロム酸カリウムK2Cr04を水に溶かした後、その水溶液を陽イオン交換樹脂に通すと51Cr3+が樹脂に吸着した。
1 ABDのみ 2 ABのみ 3 ACのみ 4 CDのみ5 B C Dのみ

問27 次のうちα線源を利用している機器はどれかc
1 レベル計×
2 ECDガスクロマトグラフ×
3 メスバウァ一分光装置×
4 散乱型厚さ計×
5 煙感知器

問28 放射線によって分子性の物質中に生ずる変化に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 放射線が物質に及ぼす効果は、 放射線との直接相互作用と、 これにより生成したイオンなどとの相互作用により現れる。
B スパー(スプール)は、 放射線の飛跡にそって微小領域に生成するイオンやラジカルなどの集合体である。
C 線エネルギー付与(LET)が大きいほど、 単位距離当たりに生成するスパー(スプール)の数は少ない。
D γ線の場合、 物質との相互作用により生成した二次電子がスパー(スプール)を生成する。
1 ABCのみ2 ABDのみ3 ACDのみ 4 B CDのみ5 AB C Dすべて

問29 放射線照射した水溶液中に生成する活性化学種の性質に関する次の記述のうち、 正しい組合せはどれか。
A 水和電子は1分程度の寿命をもつ。×
B 水和電子は水素原子より強力な還元性をもつ。
C 水素ラジカルは強い酸化力をもつ。×
D ヒドロキシルラジカルは電子スピン共鳴吸収装置(ESR)で測定できる。
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD
問30 51CrはEC壊変して51Vになるときに、 320 keVのγ線を放出する。 51Cr線源からの放射線を鉛で遮蔽するとき、次の記述のうち正しいものの組合せはどれか。ただし、鉛の密度は11g・cm-3、320 keVのγ線に対する質量減弱係数は0.35cm2・g-1とする。
A 厚さ3.2cmの鉛で320 keVのy線は約1/1000に減弱する。×
B 厚さ1.8mmの鉛で320 keVのy線は約1/2に減弱する。
C 51Vから放出される特性X線は320 keVのγ線より遮蔽が難しい。×
D 制動放射線の遮蔽は考慮する必要がない。
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

放射線取扱主任者過去問勉強法化学編 2019問31から問32

問31 次の文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
放射線を利用 した元素分析法の1つに放射化分析法がある。 この方法では、 核反応を利用 して放射性核種を生成し、 この核種からの放射線を測定することによって元素を定量する。 最もよく利用される核反応は(n,γ)反応で、標的核と生成核の  A 原子番号 は等しい。 生成する放射性核種の多くはγ線を放出するので、エネルギー分解能の良い  B Ge半導体検出器 でγ線スペクトルを得ることにより、多種類の元素を同時に定量することができる。
(n,γ)反応により生成する放射性核種の放射能.Aは、 次式により計算できる。
A=Nφσ  C (1-e-λt)  ・・・・・ (1)
ここで、Nは標的核の数、 φは中性子フルエンス率、 σは核反応断面積、 λは生成核種の壊変定数、 tは照射時間である。 C (1-e-λt) は D 飽和係数と呼ばれ、 例えば、 tが生成核種の半減期と等しいとき、 ア 0.5 となる。
また、 Nは次の式で表される。
N= E w/M×NA×θ ・・・・・ (2)
ここで、 wは元素の質量、 Mは原子量、 NAはァボガドロ定数、 θは同位体存在度である。
分析試料と標準試料 (既知量の目的元素を含む試料)を同時に中性子照射したとき、 それぞれの試料で同じ目的元素から生成する放射性核種の放射能をそれぞれAとA’とすると、 (1)式から
A/A’=N/N’ ・・・・・ (3)
が成り立つ。ただし、NとN’ をそれぞれ分析試料と標準試料に含まれる標的核の数とする。また、wとw’をそれぞれ分析試料と標準試料に含まれる目的元素の質量とすると、 (2) 式を用いて、次の関係が成り立ち、 分析試料と標準試料の放射能から質量を求めることができる。
A/A’=N/N’=w/w’・・・・・ (4)
これが放射化分析法の定量原理である。
分析試料に含まれる目的元素が極微量で、 その誘導放射能が小さいときは、 照射後に目的元素を化学分離することにより、定量下限値を下げることができる。その際、既知量の F 担体 を加えて分離すると、 目的元素の回収率を求めることができるので、必ずしも定量的な分離の必要はない。 短半減期核種を対象とするときは、 回収率を上げるよりも、分離操作時間を短くすることを優先する場合がある。 例えば、 操作時間が半減期の3倍で回収率が100%である時よりも、 操作時間は半減期と同じで回収率は50%の方が、 得られる放射能は イ 2.0 倍になる。
化学分離には、沈殿法、溶媒抽出法、イオン交換法などが利用される。沈殿法は、種々のイオンが溶解している溶液から、 目的イオンだけを G 溶解度 の小さい化合物に変え、 沈殿させて分離する方法である。 この際、 本来は沈殿しない目的外の微量なイオンが沈殿に取込まれることがある。 この現象を H 共沈 という。  H 共沈 を防ぐには、 前もって I 保持担体 を添加しておくとよい。
 例えば、 照射後、 試料中の100 Bqの131Baを分離するために、 F 担体 として5.0 ×10^- 5 mol(10 mg) の塩化バリウム(BaCl2)を添加したのち、適切な方法で溶解し、100mLの溶液とする。この溶液に5.0×10^2mol・L-lの希硫酸(H2S04)を1.0 mL加えると、 硫酸バリウム(BaSO4) が沈殿する。
BaSO4の溶解度積を1.6×10^- 9mol2・L-2とすると、 ウ 92 Bqの131Baが沈殿に含まれる。(なお、131Ba の減衰、 溶液の体積の変化、 並びに試料中のBa以外の元素との化学反応は無視してよい。 )
一方、 溶媒抽出法とイオン交換法は、 2つの異なる相の間で元素が J 分配 される現象を利用した分離法で、 トレーサー量の元素に対しても適用可能である。

問32 次のI、 nの文章の  □  の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 放射性ヨウ素の同位体はトレーサー実験及び核医学診断や放射線治療に用いられており、 加速器や原子炉で製造されている。 核医学で用いる放射性ヨウ素は無担体で高い比放射能であることが必要である。
下表に、 代表的な放射性ヨウ素の核種と半減期、 製造方法、 壊変様式と主な放射線、 適用例をまとめた。123Iは加速器を使って124Xeを標的とした ア (p,2n) 反応で生成した短寿命の123Csが123Xe に壊変し、さらに123Xeの壊変によって得られる。123Iは半減期13.2時間でEC壊変して、主に  A 159 keVのγ線を放出し、 B 甲状腺シンチグラフィ に利用される。 β線を放出しないので体内に投与した時の被ばく線量は少ない。l251は、原子炉で124Xe(n,γ)125Xe反応により生成するl25XeのEC又はβ+壊変により得られ、半減期59.4日で イ EC 壊変して  C 35.5 keVのγ線を放出する。クロラミンTを用いて D チロシン 残基を125Iで標識したタンパク質は、 E ラジオイムノアッセイ に利用される。 131Iは、 主に ウ 235Uの熱中性子照射  により製造され、 半減期8.02日で エ β- 壊変して主に F 365 keVのγ線を放出する。 ヨウ素は加熱などの操作により気体となりやすいために、 吸入などしないように取り扱いには注意する必要があるC また、 131Iの約1%は半減期11.8日の放射性気体の G 131mXe に壊変することも考慮すべき点である。
II 熱中性子を吸収した原子核は、 γ線を放出すると同時に H 反跳エネルギー を得る。 このエネルギーが化学結合エネルギー以上となると結合を切断して、 中性子を捕獲した分子とは異なる化学形となる。 1934 年にSzilardとChalmersは、この核反応による化学効果を初めて発見した。
127Iの熱中性子捕獲反応で生成する128I(半減期25.0分)を考える。水に不溶な液体であるヨウ化エチルC2H5I(分子量156)3.12gを50分間熱中性子照射した場合、照射終了時の128Iの放射能は I 1.1×10^5 Bqとなる。ただし、熱中性子の反応断面積は6.2×10^- 24cm2、中性子フルエンス率は2.0×10^6cm-2・s-1、 アボガドロ定数は6.O×10^23 mol-1とする。 照射終了後、 還元剤を含む水と振とうすると、生成した1281の大部分は オ I- の化学形で水相に抽出されるので、高い比放射能の1281を得ることができる。

放射線取扱主任者過去問勉強法生物編


生物は、

計算は少ししか出ませんが、

私の印象として、

10年前とは、

問題傾向が少しかわったように思います。

PETなど、

診療に使う核種の問題も増えてきました。

特に最近の問題を重点にやりましょう。

放射線取扱主任者過去問勉強法生物編 2019問1から問10

問1 次の標識化合物のうち、陽電子放射断層撮影(PET)診断に用いられるものの組合せはどれか。
A [13N]NH3(アンモニア)
B [l50]CO2(二酸化炭素)
C [123I]MIBG(メタョードベンジルグァニジン)×
D [99mTc]MDP (メチレンジホスホン酸テクネチウム) ×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問2 γ線の生物作用を利用した応用例と照射されるγ線の吸収線量として、 正しいものの組合せは次のうちどれか。
応用例 吸収線量
A ウリミバエの不妊化 70Gy
B じゃがいもの芽止め 100Gy
C 米の品種改良 300Gy
D 医療用器具の滅菌 500Gy×
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問3 次の核種のうち体内で主に骨に集積するものの組合せはどれか。
A 60Co×
B 90Sr
C 137Cs×
D 226Ra ×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問4 γ線全身被ばく後の急性放射線障害の初期応答に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 3Gy被ばく2時間後までに、 50%以上の発生率で嘔吐がみられる。
B 5Gy被ばく2時間後までに、 50%以上の発生率で発熱がみられる。
C 7Gy被ばく4時間後までに、 50%以上の発生率で頭痛がみられる。
D 9Gy被ばく1時間後までに、 50%以上の発生率で下痢がみられる。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問5 γ線を全身急性1回被ばく した場合のヒトの障害に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。 ただし、 特別な治療を行わない場合とする。
A 15Gy被ばく後の平均生存期間は3.5日である。×
B 100 Gy被ばく後の平均生存期間は2日以下である。
C 60日以内に半数が死亡する線量は約4Gyである。
D 4Gy被ばく後3日以内に、末梢血中のリンパ球数が一過性に増加し、その後被ばく前より減少する。×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問6 唾液腺への局所γ線急性被ばく後 2~3 日間にみられる影響に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 6Gy末満の被ばくでは臨床的に観察される影響は認められない。×
B 8Gyの被ばくにより、血清中の唾液腺型アミラーゼ値が上昇することがある。×
C 8Gyの被ばくにより、唾液腺の腫脹が生じることがある。
D 8Gyの被ばくにより、唾液腺の痛みが生じることがある。
1 AB Cのみ 2 ABのみ3 ADのみ4 C Dのみ5 B CDのみ

問7 原爆被爆者におけるがんによる死亡の相対リスクおよび過剰相対リスクに関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 被爆時年齢、到達年齢、部位によらず、相対リスクと過剰相対リスクの差は一定である。
B 全固形がんの過剰相対リスクは、 到達年齢が同じであれば、 被爆時年齢が低いほど大きい。
C 全固形がんの過剰相対リスクは、 被爆時年齢が同じであれば、 到達年齢が低いほど大きい。
D 30歳で被爆し、70歳に到達したときの全固形がんの相対リスクは1Gyにおいて0.4~0.5である。×
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問8 職業被ばく及び医療被ばく による発がんに関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A ウラン鉱夫において、肺がんの増加が見られた。
B ラジウム時計文字盤工において、 骨がんの増加が見られた。
C 頭部白癬のX線治療を受けた患者において、 甲状腺がんの増加が見られた。
D トリウムを含む造影剤を投与された患者において、 肝がんの増加が見られた。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問9 医療診断による被ばく に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 日本における1人当たり、1年当たりの医療診断による被ばくの実効線量は、平均で約4mSvである。
B 体幹部CTによる被ばくの実効線量は、 1検査当たり約10 mSvである。
C 胸部X線 (直接) 撮影による被ばくの実効線量は、 1検査当たり0.5~1mSvである。×
D 乳房X線撮影 (マンモグラフイー) による被ばくの乳腺における吸収線量は、 1検査当たり2~3mGyである。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問10 預託実効線量に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 子供の場合、 摂取時から50年間を積算期間とする。×
B 預託実効線量の単位はシーベルトである。
C 長期にわたる外部被ばくの影響を評価するために用いる。×
D 確率的影響のリスクを評価するために用いる。
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

放射線取扱主任者過去問勉強法生物編 2019問11から問20

問11 公衆の1人当たりの年間実効線量に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 宇宙放射線による被ばくは、 高度が同じであれば高緯度の地域に比べて低緯度の地域の方が高い。×
B 世界平均ではラドンとその子孫核種による内部被ばくが自然放射線による被ばくの中で最も多い。
C 日本平均では医療診断による被ばくが自然放射線による被ばくよりも多い。
D 日本平均では食物からの内部被ばくが自然放射線による被ばくの中で最も多い。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問12 放射線による直接作用に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A DNAの共有結合の解離によるラジカルの発生がある。
B 乾燥した酵素のX線による不活性化に関与する。
C ジメチルスルホキシドによって抑制される。×
D フリーラジカルが関与する。 ×
1 ACDのみ 2 ABのみ3 B Cのみ4 Dのみ5 A B C Dすべて

問13 放射線による間接作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A ラジカルスカベンジャーにより作用が軽減される。
B 無酸素下よりも酸素存在下で作用は大きくなる。
C 凍結状態にすると作用が軽減される。
D 溶質分子の濃度が変化しても不活性化される溶質分子の割合は変わらない。×
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問14 放射線によ り細胞に生じる DNA損傷に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A γ線では単位吸収線量当たりのDNA2本鎖切断の数はDNA 1本鎖切断の数の約20倍である。×
B DNA2本鎖切断は電離放射線に特有な損傷である。×
C DNA2本鎖切断は発がんの原因となる。
D γ線では単位吸収線量当たりの塩基損傷の数はDNA2本鎖切断の数より多い。
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問15 ヒト体細胞におけるDNA2本鎖切断の修復及び突然変異に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 相同組換えによる修復は、主として相同染色体を利用して行われる。×
B 非相同末端結合による修復は、 G2期では起こらない。×
C 非相同末端結合による修復は、相同組換えによる修復よりも誤りを起こしやすい。
D 放射線で誘発される突然変異の中で欠失の占める割合は、 自然に起こる突然変異の場合よりも多い。
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問16 次のうち、 単位吸収線量当たり、 1細胞当たりのDNA 1本鎖切断の生成数に影響を与えるものの組合せはどれか。
A 温度
B LET
C ラジカルスカベンジャー
D 酸素分圧
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問17 体内に取り込まれたある放射性核種について、 摂取直後にある臓器に 100 Bqの集積が認められた。 この臓器において、 集積後から有効半減期よりも十分長い時間にわたる総壊変数 (累積放射能[MBq・s])に最も近い値は、次のうちどれか。ただし、この放射性核種の物理的半減期を30年、この臓器における生物学的半減期を100日とする。また、その間、臓器への新たな集積はなく、 臓器重量の増減もないと仮定する。
1 0.34 ×2 590 × 3 850 × 4 1,200 5 16,000 ×

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問18 次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A アポトーシスを起こす過程では核の断片化が起こる。
B 末梢血リンパ球は放射線致死抵抗性である。×
C アポトーシスは放射線被ばくによってのみ起こる細胞死であるc×
D アポトーシスを起こす過程ではグロマチンの凝縮が起きる。
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとD 5 CとD

問19 染色体異常に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれかc
A 二動原体染色体は被ばく線量の推定に使用できる。
B 染色体凝縮を起こしている細胞で観測する。
C ヒト末梢血赤血球で観測することができる。×
D 不安定型染色体異常はがん化の原因となる。 ×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問20 次の照射条件で、 正常ヒト線維芽細胞を2Gy照射したときの生存率が高い順に並べられているものはどれか。
A 60Coγ線
B がん治療用炭素線ブラックピーク部
C がん治療用陽子線ブラツグピーク部
D 低酸素下での60Coγ線
1 A>B >C> D ×2 A > C > D > B ×3 A > D > C > B× 4 D >A > C > B 5 D > C > A > B ×

放射線取扱主任者過去問勉強法生物編 2019問21から問30

問21 ヒトの胎内被ばくにより重度知的障害が最も起こりやすい被ばくの時期は、 次のうちどれか。
1 受精後8日まで×
2 受精後8日~8週×
3 受精後8週~15週
4 受精後15週~25週×
5 受精後25週以降×

問22 γ線被ばく を受けた眼の水品体の放射線影響に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 線量が大きくなると放射線白内障の平均的な発症までの期間が短縮する。
B 水晶体混濁のしきい線量は0.5Gyである。のう
C 放射線白内障は水晶体の後嚢下 (目の奥に近い部分) で細胞が被ばくすることによって起こる。×
D 線量率が低下すると視力障害性の放射線白内障のしきい線量は低下する。×
1 ABCのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問23 9.5Gyのγ線被ばくによる肺の障害に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 肺の一部だけが被ばくした場合でも肺全体に炎症が生じる。×
B 被ばく後1週間で肺浮腫が出現する。×
C 被ばくにより50%以上の頻度で放射線肺炎が起こる。
D 被ばく後約6か月以降に肺線維症が起こる。
1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 B C Dのみ

問24 137Csγ線局所被ばく による皮膚障害に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 3Gy被ばくの数時間後に、被ばく部位に軽い痛みを生じることがある。
B 被ばく後48時間以内に見られる紅斑は、 毛細血管の拡張により生じる。
C 被ばく後2~3週間後に見られる紅斑は、血管の狭窄により生じる。
D 難治性潰瘍のしきい線量は、1回で被ばくした場合より同一線量を分割して被ばくした場合の方が小さい。 ×
1 AB Cのみ 2 ABのみ3 ADのみ4 CDのみ5 B C Dのみ

問 25 放射線による遺伝性(的)影響に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A マウス実験において、 遺伝性(的)影響の線量率効果は認められていない。×
B マウス実験で見られた遺伝性(的)影響は、 主に顕性(優性)の突然変異である。×
C 遺伝的リスクの推定に用いられる倍加線量法は間接法とも呼ばれる。
D 倍加線量が小さいほど、 遺伝性(的)影響が起こりやすいことを意味する。
1 ABDのみ 2 ABのみ 3 ACのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問26 ICRP2007年勧告における確率的影響の名目リスク係数に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。 ただし、全集団とは被ばく時年齢が0~85歳の集団、成人とは被ばく時年齢が18~64歳の集団とする。
A 全集団のがんの名目リスク係数は、1Sv当たり5.5である。×
B 線量・線量率効果係数(DDREF)として1を採用している。×
C 全集団のがんの名目リスク係数は、成人のがんの名目リスク係数より大きい。
D 全集団、成人ともに、遺伝性(的)影響の名目リスク係数は、1990年勧告より小さくなっている。
1 ABCのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問27 生殖腺の局所被ばくによる放射線障害に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 精巣のγ線1回短時間被ばくによる男性の一時的不妊のしきい線量は、 0.15Gyである。
B 精原細胞は精(子)細胞より突然変異誘発率が高い。×
C 卵巣が被ばくした後、卵胞刺激ホルモンの一過性の上昇がみられることがある。
D 卵巣が被ばくした場合、 成人女性では被ばくした年齢が低いほど少ない線量で永久不妊になる。 ×
1 ACDのみ 2 ABのみ3 ACのみ4 BDのみ5 B C Dのみ

問28 ICRP2007年勧告における放射線加重係数に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A すべてのエネルギーの光子に対して1が与えられている。
B すべてのエネルギーの陽子に対して2が与えられている。
C すべてのエネルギーのアルファ粒子に対して20が与えられている。
D 中性子についてはエネルギーが1 MeVのときに最大となる。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問29 99mTcの医療応用に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 99mTcは99Moからのミルキングによって製造する。
B 99mTcの半減期は21万年である。×
C 99mTcから放出される511keVのエネルギーを持つγ線を検出する。×
D [99mTc]MAA(テクネチウム大凝集人血清アルブミン)は肺シンチグラフイーに用いられる。 1 ABCのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問30 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 熱中性子や熱外中性子を照射する。
B 11Bと中性子の核反応を利用する。×
C 4Heと7Liが生じる。
D 代表的なホウ素薬剤の1つにアミノ酸誘導体のBPA(p-boronophenylalanine) がある。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 B C Dのみ 5 A B C Dすべて

放射線取扱主任者過去問勉強法生物編 2019問31から問32

問31 次のI、 2の文章の  □ の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 放射線生物学では細胞の死を 「分裂する能力の喪失」 と定義することがある。 この定義による細胞の死を ア 増殖死 と呼ぶ。放射線照射により 「分裂する能力を喪失」すると、細胞は0回から数回の分裂後にその後の分裂を停止するのに対し、 分裂能を失わないと細胞が分裂を繰り返して1つの細胞由来の細胞集団(コロニー)を形成する。単独の培養細胞は肉眼では見えないが、コロニーを形成すると肉眼で確認できる大きさになる。 このようなコロニーを作るかどうかで細包の生死を判定する。放射線照射後の細胞生存率を計算してみよう。照射していない100個の細胞を培養して90 個のコロニーができたとする。 このときのコロニー形成率は A 90 %である。 同じ細胞 1,000個にX線を2Gy照射した後培養して90個のコロニーができたとすると、2Gy照射での生存率は B 0.10である。放射線の吸収線量をD、生存率をSとすると、多くの培養細胞の線量一生存率曲線は1nS=-αD-βD^2で近似できる。αとβの値は、照射条件や細胞の性質に大きく左右される。
照射条件として放射線の線質や照射中の溶存酸素濃度は、 細胞生存率に大きな影響を与えることが知られている。 線質の効果を定量的に表すために イ RBE が、 酸素の効果を定量的に表すために ウ OER が用いられる。 酸素の濃度が 0.5%以下の条件で照射すると大気条件下で照射した場合と比較して生存率は エ 高くなる。 正常ヒト線維芽細胞に中性子線を照射した場合、 137Cs線源のγ線照射時と比べてα/βの値は オ 大きくなる。 このとき ウ  OER は カ 小さくなる 。 

II 高線量率のX線やγ線による全身被ばくでは、 線量に応じて様々な組織で障害が起こる。 これらの障害の原因となる細胞の放射線感受性は、 いくつかの例外はあるものの キ ベルゴニー・トリボンドー の法則としてまとめられている。 キ ベルゴニー・トリボンドー の法則では、 細胞分裂の頻度が  C 高い   細胞ほど、 また、 形態及び機能において ク 未熟な(未分化の) 細胞ほど放射線感受性が高いとしている。
被ばく直後から数週間以内に起きる急性障害について考えてみよう。例えば、上皮組織内部では、上皮としての機能を担っている細胞 (機能細胞) は、 組織幹細胞と比べて放射線感受性は D 低い 。 機能細胞は有限の寿命をもち、 それによる減少分を幹細胞の増殖によって補充することができなくなると急性障害が発症する。 そのため腸や皮膚の上皮組織での急性障害では、 被ばくから一定数の機能細胞が失われて症状が現れるまでに線量に応じた時間差があることが多い。皮膚の上皮(表皮) 組織の幹細胞は ケ 基底層 に存在し、 小腸上皮の幹細胞は コ クリプト(腺か)に存在する。 ヒトの小腸上皮細胞の寿命は約  E 3~7 日であり、 この期間に応じて症状が現れる。

問32 次のI~3の文章の  □  の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I ヒトの代表的な放射線高感受性遺伝病の1つに A 毛細血管拡張性運動失調症 がある。 この遺伝病はATM遺伝子の変異によって生じ、 B 常染色体潜性(劣性) 遺伝様式を示す。この遺伝病の患者の両親が健康な場合、  C 父親と母親の両方  が一対のATMの遺伝子の D 一方 に変異を持つ。また、この遺伝病の患者の兄弟姉妹が健康な場合、その兄弟姉妹は  E 2/3 の確率で一対のATMの遺伝子の D 一方 に変異を持つ。

II 次に、  A 毛細血管拡張性運動失調症 の患者でATM遺伝子にどのような変異があるかを見てみよう。 なお、 以下において、タンパク質のアミノ酸の数え方は、タンパク質合成が開始されるコドンに対応するアミノ酸を1個目とし、以下、タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように数えることとする。また、メッセンジャーRNA(mRNA)の塩基の番号は、タンパク質合成が開始されるコドンの1番目の塩基を1番とし、以下、タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように付けることとする。 下の表1はコドンとアミノ酸との対応を示したもので、 遺伝暗号表あるいはコドン表などと呼ばれる。
表1

多数の患者でATM遺伝子の一部あるいは大部分の欠失が見られるが、1個から数個の塩基の変化が見られる場合もある。 一例として、 ATMタンパク質のmRNAの8,711番目のアデニンがグアニンに置き換わるような変異がある。 図1に正常なATMタンパク質のmRNAの8,701番目から8,720番目の塩基配列を示す。 ATMタンパク質の ア 2,904 個目のアミノ酸は、正常な遺伝子から作られると F グルタミン酸 であるが、 この変異遺伝子から作られると G グリシン となる。

別の例として、 ATMタンパク質のmRNAの7,517番目から7,520番目までの4個の塩基が欠失するような変異がある。 図2に正常なATMタンパク質のmRNAの7,511番目から7,530番目の塩基配列を示す。このような変異を H フレームシフト 変異といい、この変異遺伝子からは正常なATMタンパク質より小さい イ 個のアミノ酸からなるタンパク質が作られる。

放射線取扱主任者過去問勉強法法令編

法令は、毎年のように繰り返し出る問題があります。

インターロックや、

主任者の選任、代理者の選任などは確実にものにしましょう。

放射線取扱主任者過去問勉強法法令編 2019問1から問10

問1 放射性同位元素に関する次の文章の A ~ D に該当する語句について、放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 下記の選択肢のうちどれか。
『第1条 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第2条第2項の放射性同位元素は、 放射線を放出する同位元素及びその A 化合物 並びにこれらの含有物 ( B 機器に装備 されているこれらのものを含む。) で、 放射線を放出する同位元素の数量及び濃度がその C  種類  ごとに D  原子力規制員会が 定める数量及び濃度を超えるものとする。』

問2 用語の定義に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 作業室とは、「密封されていない放射性同位元素の使用若しくは詰替えをし、又は放射性同位元素若しくは放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染された物で密封されていないものの詰替えをする室」 をいう。
B 廃棄作業室とは、「放射性同位元素又は放射性汚染物を焼却した後その残渣を焼却炉から搬出し、又はコンクリートその他の固型化材料により固型化(固型化するための処理を含む。)する作業を行う室」 をいう。
C 排水設備とは、「排液処理装置(濃縮機、分離機、イオン交換装置等の機械又は装置をいう。)、排水浄化槽(貯留槽、希釈槽、沈殿槽、ろ過槽等の構築物をいう。)、排水管、排水口等液体状の放射性同位元素等を浄化し、 又は排水する設備」 をいう。
D 固型化処理設備とは、「粉砕装置、圧縮装置、混合装置、詰込装置等放射性同位元素等をコンクリートその他の固型化材料により固型化する設備」をいう。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問3 許可又は届出の手続きに関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 陽電子放射断層撮影装置による画像診断に用いるための放射性同位元素を製造しようとする者は、 工場又は事業所ごとに、 原子力規制委員会の許可を受けなければならない。
B 放射性同位元素又は放射性汚染物を業として廃棄しようとする者は、廃棄事業所ごとに、原子力規制委員会の許可を受けなければならない。
C 放射線発生装置のみを業として賃貸しようとする者は、賃貸事業所ごとに、あらかじめ、原子力規制委員会に届け出なければならない。×
D 表示付特定認証機器のみを業として販売しようとする者は、販売所ごとに、かつ、認証番号が同じ表示付特定認証機器ごとに、あらかじめ、原子力規制委員会に届け出なければならない。 ×
1 AB Dのみ 2 ABのみ 3 ACのみ 4 CDのみ 5 B C Dのみ

問4 次のうち、 密封されていない放射性同位元素の使用の許可のみを受けようとする者が、 原子力規制委員会に提出する放射性同位元素の使用許可申請書の正本に添えなければならない書類として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 予定使用開始時期及び予定使用期間を記載した書面
B 予定工事期間及びその工事期間中放射線障害の防止に関し講ずる措置を記載した書面×
C 使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設を中心とし、縮尺及び方位を付けた工場又は事業所内外の平面図
D 使用施設、 貯蔵施設及び廃棄施設の主要部分の縮尺を付けた断面詳細図
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問5 次のうち、 届出販売業者が、 あらかじめ、 原子力規制委員会に届け出なければならない変更事項として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、 その代表者の氏名×
B 放射性同位元素の保管の委託先の氏名又は名称×
C 放射性同位元素の種類
D 販売所の所在地
1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 C Dのみ 5 B C Dのみ

問6 次の標識のうち、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。 ただし、 この場合、放射能標識は工業標準化法の日本工業規格によるものとし、 その大きさは放射線障害防止法上で定めるものとする。

1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 B CDのみ
3 ADのみ

問7 使用施設の技術上の基準に関して、 密封された放射性同位元素を使用する場合に、 その旨を自動的に表示する装置及びその室に人がみだりに入ることを防止するインターロックを設けなければならない放射性同位元素の数量を示す記述として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せは、次のうちどれか。
自動表示装置 インターロック
1 400ギガベクレルを超える 400テラベクレルを超える
2 400ギガベクレル以上 400テラベクレル以上
3 400ギガベクレルを超える 400テラベクレルを超える
4 400ギガベクレル以上 400テラベクレル以上
5 400ギガベクレルを超える 400テラベクレルを超える

自動表示装置  インターロック

2 400ギガベクレル以上 400テラベクレル以上

問8 貯蔵施設の技術上の基準に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 貯蔵施設は、地崩れ及び浸水のおそれの少ない場所に設けること。
B 貯蔵施設の扉、 蓋等外部に通ずる部分には、 鍵その他の閉鎖のための設備又は器具を設けること。
C 貯蔵施設には、 出入りする者を常時監視するための設備を設けること。×
D 貯蔵施設は、その主要構造部等を耐火構造とし、又は不燃材料で造ること。×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問9 許可の条件に関する次の文章の  A ~ C  に該当する語句について、放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 下記の選択肢のうちどれか。
『第8条 第3条第1項本文又は第4条の2第1項の許可には、 条件を付することができる。
2 前項の条件は、  A 放射線障害 を防止するため必要な  B 最小限度のもの  に限り、かつ、許可を受ける者に  C 不当な義務  を課することとならないものでなければならない。 』
A B C
1 放射線影響 最小限度のもの 制限
2 放射線影響 防護方法 制限
3 放射線障害 防護方法 不当な義務
4 放射線障害 最小限度のもの 不当な義務
5 放射線影響 最小限度のもの 不当な義務

問10 次のうち、 変更の許可を要しない軽微な変更に該当する事項として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 貯蔵施設の貯蔵能力の減少
B 放射性同位元素の数量の減少
C 放射線発生装置の最大使用出力の減少
D 事業所の境界に設ける柵その他の人がみだりに立ち入らないようにするための施設の位置の変更(工事を伴わないものに限る。)×
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

放射線取扱主任者過去問勉強法法令編 2019問11から問20

問11 次のうち、 許可使用者が変更の許可を受けようとするときに、 申請書の正本に添えなければならない書類として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 変更の予定時期を記載した書面
B 法人にあっては、登記事項証明書×
C 工事を伴うときは、 その予定工事期間及びその工事期間中放射線障害の防止に関し講ずる措置を記載した書面
D 放射線障害予防規程の変更の内容を記載した書面×
1 AとB 2 AとC 3 AとD 4 BとC 5 BとD

問12 認証の基準に関する次の文章の  A  ~ C に該当する語句について、放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 下記の選択肢のうちどれか。
『第12条の3 原子力規制委員会又は登録認証機関は、設計認証又は特定設計認証の申請があった場合において、 当該申請に係る  A 設計 並びに使用、 保管及び  B 運搬 に関する条件が、 それぞれ原子力規制委員会規則で定める  C 放射線 に係る安全性の確保のための技術上の基準に適合していると認めるときは、設計認証又は特定設計認証をしなければならない。』
A B C
1 構造 廃棄 被ばく
2 構造 運搬 放射線
3 設計 運搬 放射線
4 設計 廃棄 被ばく
5 設計 廃棄 放射線

問13 新たに許可使用者となった者に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上、 施設検査の対象となるものの組合せはどれか。
A 1個当たりの数量が10テラベクレルの密封されたセシウム137を装備した照射装置1台を使用する者
B 密封されていないセシウム137について、 下限数量に10万を乗じて得た数量を貯蔵能力とする貯蔵施設を有する者
C 1個当たりの数量が5テラベクレルの密封されたコバルト60を装備した照射装置2台、1個当たりの数量が5テラベクレルの密封されたセシウム137を装備した照射装置1台を使用する者×
D 密封されていないコバルト60及びイリジウム192のみを貯蔵し、それぞれの下限数量に1万を乗じて得た数量を貯蔵能力とする貯蔵施設を有する者×
1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 B C Dのみ

問14 次の記述のうち、設置時施設検査に合格した日又は前回の定期確認を受けた日から次の定期確認を受けなければならない期間について、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 放射線発生装置のみを使用する特定許可使用者は、 5年以内に定期確認を受けなければならない。
B 密封されていない放射性同位元素のみを使用する特定許可使用者は、 3年以内に定期確認を受けなければならない。
C 密封された放射性同位元素のみを使用する特定許可使用者は、 3年以内に定期確認を受けなければならない。×
D 許可廃棄業者は、 5年以内に定期確認を受けなければならない。×
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問15 使用の基準に関する次の記述のうち、放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 作業室での飲食及び喫煙を禁止すること。
B 使用施設又は管理区域の目につきやすい場所に、 貯蔵の能力超過の防止に必要な注意事項を掲示すること。×
C 作業室においては、作業衣、保護具等を着用して作業し、これらを着用してみだりに作業室から退出しないこと。
D 管理区域には、人がみだりに立ち入らないような措置を講じ、放射線業務従事者以外の者が立ち入るときは、 取扱等業務に従事する者であって、 管理区域に立ち入らないものの指示に従わせること。 ×
1 AC Dのみ 2 ABのみ3 ACのみ4 BDのみ5 B C Dのみ

問16 保管の基準に関する次の記述のうち、放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 貯蔵施設においては、作業衣、保護具等を着用して作業し、これらを着用してみだりに貯蔵施設から退出しないこと。×
B 貯蔵施設のうち放射性同位元素を経口摂取するおそれのある場所での飲食及び喫煙を禁止すること。
C 貯蔵施設には、 その貯蔵能力を超えて放射性同位元素を貯蔵しないこと。
D 空気を汚染するおそれのある放射性同位元素を保管する場合には、 貯蔵施設内の人が呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度は、 空気中濃度限度を超えないようにすること。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

問17 A型輸送物に係る技術上の基準に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 外接する直方体の各辺が10センチメートル以上であること。
B 放射性同位元素の使用等に必要な書類その他の物品 (放射性輸送物の安全性を損なうおそれ のないものに限る。 ) 以外のものが収納され、 又は包装されていないこと。
C 周囲の圧力を60キロパスカルとした場合に、 放射性同位元素の漏えいがないこと。
D 表面から1メートル離れた位置における1センチメートル線量当量率の最大値が10ミリシーベルト毎時を超えないこと。 ×
1 ABCのみ2 ABDのみ3 ACDのみ 4 B CDのみ 5 AB CDすべて

問18 測定に関する次の記述の うち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 排気設備の排気口及び排気監視設備のある場所における放射性同位元素による汚染の状況の測定は、作業を開始した後にあっては、6月を超えない期間ごとに1回行うこと。×
B 管理区域の境界における放射性同位元素による汚染の状況の測定は、 作業を開始した後にあっては、6月を超えない期間ごとに1回行うこと。×
C 排水設備の排水口及び排水監視設備のある場所における放射性同位元素による汚染の状況の測定は、 作業を開始した後にあっては、 排水する都度(連続して排水する場合は、 連続して)行うこと。
D 作業室における放射性同位元素による汚染の状況の測定は、 作業を開始した後にあっては、1月を超えない期間ごとに1回行うこと。
1 AとB 2 AとC 3 BとC 4 BとD 5 CとD

問19 次の記述のうち、 外部被ばくによる線量の測定の結果について、 集計しなければならない期間として放射線障害防止法上定められているものの組合せはどれか。
A 男子にあっては、毎月1日を始期とする1月間×
B 本人の申出等により許可届出使用者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては、 出産までの毎月1日を始期とする3月間×
C 4月1日を始期とする1年間
D 4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日を始期とする各3月間
1 A B Cのみ 2 ABのみ3 ADのみ4 C Dのみ5 B C Dのみ

問20 特定許可使用者の放射線障害予防規程に記載すべき事項として、 放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 次のうちどれか。
A 放射線管理の状況の報告に関すること。
B 放射線障害のおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合の情報提供に関すること。
C 放射線障害の防止に関する業務の改善に関すること。
D 放射線取扱主任者の代理者に関すること。
1 ABCのみ 2 ABDのみ 3 ACDのみ 4 BCDのみ 5 ABCDすべて

放射線取扱主任者過去問勉強法法令編 2019問21から問30

問21 放射線障害予防規程に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 放射線発生装置のみを使用する許可使用者は、 放射線発生装置を使用施設に設置する前に、放射線障害予防規程を作成し、 原子力規制委員会に届け出なければならない。×
B 表示付認証機器のみを販売する届出販売業者は、 販売の業を開始する前に、 放射線障害予防規程を作成し、 原子力規制委員会に届け出なければならない。×
C 届出使用者は、放射性同位元素の使用を開始する前に、放射線障害予防規程を作成し、使用の開始の日から30日以内に、 原子力規制委員会に届け出なければならない。×
D 届出賃貸業者は、放射性同位元素の賃貸の業を開始する前に、放射線障害予防規程を作成し、原子力規制委員会に届け出なければならない。
1 ACDのみ 2 ABのみ3 B Cのみ4 Dのみ5 A B C Dすべて

問22 教育訓練に関する次の記述のうち、放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。 ただし、対象者には、 教育及び訓練の項目又は事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる者は、 含まれていないものとする。
A 放射線業務従事者が初めて管理区域に立ち入る前に行わなければならない教育及び訓練の時間数は定められている。
B 取扱等業務に従事する者であって、 管理区域に立ち入らないものが取扱等業務を開始する前に行わなければならない教育及び訓練の時間数は定められている。
C 見学のため管理区域に一時的に立ち入る者に対する教育及び訓練の時間数は定められている。×
D 放射線業務従事者が管理区域に立ち入つた後、 1年を超えない期間ごとに行わなければならない教育及び訓練の時間数は定められている。×
1 ABDのみ 2 ABのみ 3 ACのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問23 健康診断の結果の記録に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 健康診断を受けた放射線業務従事者に対し、健康診断の都度、その記録を交付し、その記録の写しを保存した。×
B 健康診断を受けた放射線業務従事者が、事業者の従業者でなくなったため、当該従業者の健康診断の結果の記録を破棄した。×
C 放射線業務従事者の健康診断の結果の記録を永久に保存することとした。
D 届出使用者が、 全ての使用を廃止したため、 保存していた放射線業務従事者の健康診断の結果の記録を原子力規制委員会が指定する機関に引き渡すこと とした。
1 AB Cのみ 2 ABのみ3 ADのみ4 CDのみ5 B CDのみ

問24 許可の取消し、使用の廃止等に伴う措置等に関する次の文章の  A ~ C  に該当する語句について、 放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 次の選択肢のうちどれか。
『第28条 第26条第1項の規定によ り許可を取り消された許可使用者若しく は許可廃棄業者又は前条第1項若しくは第3項(第7項の規定により適用する場合を含む。)の規定により  A 届出をしなければ ならない者(以下「許可取消使用者等」という。)は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、 放射性同位元素の譲渡し、放射性同位元素等による B 汚染拡大の防止 、放射性汚染物の廃棄その他の原子力規制委員会規則で定める措置を講じなければならない。
2 許可取消使用者等は、前項の措置を講じようとするときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、  C あらかじめ 、当該措置に関する計画(以下「廃止措置計画」という。)を定め、原子力規制委員会に届け出なければならない。 』
A B C
1 届出をしなければ 汚染の除去 あらかじめ
2 廃止をしなければ 汚染の除去 あらかじめ
3 廃止をしなければ 汚染拡大の防止 遅滞なく
4 届出をしなければ 汚染拡大の防止 あらかじめ
5 廃止をしなければ 汚染の除去 遅滞なく

問25 所持の制限に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 許可使用者は、 その許可証に記載された種類の放射性同位元素等をその許可証に記載された廃棄物貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で所持することができる。×
B 放射性同位元素のみを使用している許可使用者は、 その許可に係る放射性同位元素の全ての使用を廃止する際に所持している放射性同位元素を、 届け出る廃止措置計画に定める計画期間の3月間は所持することができる。×
C 届出使用者は、 その届け出た種類の放射性同位元素をその届け出た貯蔵施設の貯蔵能力の範囲内で所持することができる。
D 届出販売業者から放射性同位元素の運搬を委託された者は、 その委託を受けた放射性同位元素を所持することができる。
1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 B C Dのみ

問26 事故等の報告に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 届出使用者は、 使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被ばくするおそれのある線量が、原子力規制委員会が定める線量限度の10分の1を超え、又は超えるおそれがあるときは、 その旨を直ちに、 その状況及びそれに対する処置を10 日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。×
B 表示付認証機器使用者は、 放射性同位元素の盗取又は所在不明が生じたときは、 その旨を直ちに、 その状況及びそれに対する処置を 10 日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。
C 許可使用者は、放射線業務従事者について実効線量限度若しくは等価線量限度を超え、又は超えるおそれのある被ばくがあったときは、 その旨を直ちに、 その状況及びそれに対する処置を10日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。
D 特定許可使用者は、 使用施設内での放射性同位元素の取扱いにおける計画外の被ばくがあったときであって、 当該被ばくに係る実効線量が放射線業務従事者にあっては0.5ミリシーベルトを超え、 又は超えるおそれのあるときは、 その旨を直ちに、 その状況及びそれに対する処置を10日以内に原子力規制委員会に報告しなければならない。×
1 ACDのみ 2 ABのみ 3 BCのみ 4 Dのみ 5 ABCDすべて

問 27 放射線取扱主任者の選任に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 10テラベクレル以下の密封されていない放射性同位元素を業として販売している届出販売業者は、 第2種放射線取扱主任者免状を有している者を選任することができる。
B 1 テラベクレル以下の密封された放射性同位元素を診療のために使用している許可使用者は、放射線取扱主任者免状を有していない薬剤師を選任することができる。×
C 表示付認証機器のみを業として賃貸している届出賃貸業者は、 放射線取扱主任者の選任を要しない。×
D 放射線発生装置を研究のために使用している許可使用者は、 第1種放射線取扱主任者免状を有している者を選任しなければならない。
1 AB Cのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 B C Dのみ

問28 放射線取扱主任者の義務等に関する次の文章のに該当する語句について、放射線障害防止法上定められているものの組合せは、 下記の選択肢のうちどれか。
『第36条 放射線取扱主任者は、 誠実にその  A 職務 を遂行しなければならない。
2 使用施設、廃棄物詰替施設、貯蔵施設、廃棄物貯蔵施設又は廃棄施設に立ち入る者は、放射線取扱主任者がこの法律若しくはこの法律に基づく  B 命令 又は C 放射線障害予防規程 の実施を確保するためにする指示に従わなければならない。
3 前項に定めるもののほか、許可届出使用者、届出販売業者、届出賃貸業者及び許可廃棄業者は、 D 放射線障害の防止 に関し、放射線取扱主任者の  E 意見 を尊重しなければならない。』
A B C D E
1 職務 指導 放射線障害防止法 放射線安全管理 意見
2 義務 指導 放射線障害予防規程 放射線安全管理 助言
3 職務 指導 放射線障害防止法 放射性同位元素の使用等 助言
4 義務 命令 放射線障害防止法 放射線障害の防止 助言
5 職務 命令 放射線障害予防規程 放射線障害の防止 意見

問29 密封された放射性同位元素を研究のために使用している届出使用者において、放射線取扱主任者が50日間、海外出張をすることになった。当該放射線取扱主任者がその職務を遂行することはできないが、 この間も放射性同位元素の使用を継続することとした。 この出張期間中における放射線取扱主任者の代理者の選任に関する次の記述のうち、 放射線障害防止法上正しいものの組合せはどれか。
A 第1種放射線取扱主任者免状を有している者を、 放射線取扱主任者の代理者として選任し、選任した日から10日後に、 原子力規制委員会にその旨の届出を行った。
B 第2種放射線取扱主任者免状を有している者を、 放射線取扱主任者の代理者として選任したが、 原子力規制委員会にその旨の届出は行わなかった。×
C 放射線取扱主任者免状を有していない診療放射線技師を、 放射線取扱主任者の代理者として選任し、 選任した日の翌日に、 原子力規制委員会にその旨の届出を行った。×
D 第2種放射線取扱主任者免状を有している者を、 放射線取扱主任者の代理者として選任し、選任した日から20日後に、 原子力規制委員会にその旨の届出を行った。
1 ABCのみ 2 ABのみ 3 ADのみ 4 CDのみ 5 BCDのみ

問30 等価線量限度に関する次の文章に該当する語句について、放射線障害防止法
上定められているものの組合せは、 下記の選択肢のうちどれか。 ただし、 次の文章中、 「前条第4 号に規定する期間」 は、 「本人の申出等により許可届出使用者又は許可廃棄業者が妊娠の事実を知つたときから出産までの間」 とする。
『第6条 規則第 1 条第 11号に規定する放射線業務従事者の各組織の一定期間内における線量限度は、次のとおりとする。
(1) 眼の水品体については、4月1日を始期とする1年間につき150ミリシーベルト
(2) 皮膚については、4月1日を始期とする1年間につき A 500 ミリシーベルト
(3) 妊娠中である女子の  B 腹部表面 については、前条第4号に規定する期間につき  C 2  ミリシーベルト』
A B C
1 500 胸部 5
2 300 腹部表面 2
3 300 腹部表面 5
4 300 胸部 5
5 500 腹部表面 2

放射線取扱主任者過去問勉強法実務編

実務は、

昔でいう、管理測定技術のような感じですが、

実務というだけあって、

実際の例のような感じで出題されます。

いくつかの種類が混ざった排水などの問題は、

しっかり点が取れるようにしましょう。

放射線取扱主任者過去問勉強法実務編2019問1から問6

問1 次の文章の  □  の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
一般的に円筒型比例計数管は、 A 計数ガス を封入した円筒型金属製チェンバ (陰極) と高電圧を印加する非常に細い金属線 (陽極) で構成される。 計数管に入射した荷電粒子が  A 計数ガス の中で電離により電子一イオン対を生成し、  B 電子 が陽極近傍で強く加速されることにより  A 計数ガス 中の原子・分子をさらに電離する。これを  C サム効果 と呼び、出力パルス信号の大きさは、  D 初めにできた電子‐イオン対の数に比例する。
 高速中性子を利用する施設の中性子モニタリングでは、 熱中性子に対して大きな反応断面積を有する3Heを  A 計数ガス とした円筒型比例計数管とポリエチレンなどの中性子減速材を組合せたモニターを利用することがある。3Heは、熱中性子とQ値が約764keVの(n,p)反応を引き起こし、  E 3H の原子核と陽子が荷電粒子として放出される。 ポリエチレンで減速された熱中性子が計数管に入射すると図に示すようなパルス波高の分布が観測される。 図中の③のピークは、荷電粒子の運動エネルギーの総和の  F 100 %が  A 計数ガス 、の中で失われた時の信号に対応し、 そのエネルギーは約  ア 764 keVに相当する。 ピークの低エネルギー側には、荷電粒子が陰極で吸収されてエネルギーを失う  G 壁効果 により図中②のような連続分布が観測される。陰極の内面近傍で核反応が起こり、陽子が  A 計数ガス 中でエネルギーを失う前に陰極に到着した場合、  E 3H の原子核の電離作用により生成された電荷のみが信号に寄与することがある。①の端部は、この時の波高に相当し、そのエネルギーは約  イ 191 keVとなる。①で示した立ち上がり(100チャネル)から③のピーク右側(500チャネル)までの領域にわたって積算した計数は、熱中性子と A 計数ガス 中の3Heの(n,p)反応数に対応し、モニタリング対象である中性子強度とこの核反応数の間には相関関係がある。

問2 次の文章の  □ の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを 1つだけ選べ。
非密封線源取扱い施設の放射線管理に際して、放射性物質による汚染の管理測定が重要である。 汚染検査の方法には、 汚染が疑われる場所の表面を検出器で直接サーベイする方法 (直接法) と、ふき取りろ紙で丁寧に汚染箇所をふき取つたのち、 ろ紙の放射能測定を別の場所で行い、 表面汚染密度を評価するスミア法(間接法) とがある。 なお、直接法では、ふき取りが困難な  A 固着性 の汚染も含めて測定が可能であるのに対して、 スミア法では  B 遊離性 の汚染評価しかできない。
直接法の場合、 α線放出核種による汚染や3Hなどの極低エネルギーβ線放出核種による汚染の場合を除いて、多くの場合GM管式サーベイメータを用いて床面や作業台の表面近傍を走査して汚染を見出す。この種の装置は、状況に応じて指針の振れの安定化をはかるために、通常は、回路の  C 時定数 が3sから30 s程度の範囲で切り替えできる様になっている。急激な計数率変化に対して応答がゼロから最終値の95%まで追随するのに、 C 時定数 の3倍の時間を必要とするので、 走査をゆっくりと行わないと、汚染部位を見落とすおそれがある。汚染部位を見出した場合、その位置で検出器窓面を検査対象表面にできるだけ近づけた状態(通常5mm)で定置し、ゆっくり時間をかけて指示値を読み取る。なお、 この種の装置の目盛りは計数率(cpmなど)で目盛られていることが多い。例えば、窓面直径5cmのGM管式サーベイメータで32Pの表面汚染を測定する場合、入射窓キャップを取り外した状態で、指示値が600 cpm、バックグラウンド計数率が100 cpmであったとき、  D 時定数 を0.6、  E 線源効率 を0.4とすれば、汚染放射能の平均表面汚染密度は、  ア 1.8 Bq・cm-2 と評価できる。時定数を10sに設定した場合、指示値の標準偏差は イ43 cpmと計算できる。なお、  D 時定数 は大面積の標準線源を用いて校正ができるが、 B 遊離性 は汚染核種や汚染された物質の材質や形状によって大きく異なり、 これを正確に求めることは容易ではない。 普通は、文献に示された実験値や JISなどに示された参考値を準用する。 そのほか、 GM計数管の分解時間に起因する数え落としやγ線の影響を受けることにも配慮する。
α線源による汚染を直接測定する場合には、 ウ ZnS(Ag) シンチレーション式サーベイメータを、 低エネルギーβ線による汚染検査には薄窓型ガスフロー計数管式サーベイメータを、 低エネルギーのγ(X)線を放出する1251の場合には、 薄い エ NaI(Tl) シンチレータを用いたサーベイメータを用いるのが有効である。
直接法では、バックグラウンドレベルが高く、測定が難しい場合でも、スミア法では、スミアろ紙の測定をバックグラウンドが低い場所で行い得る上に、GM計数管などの検出器を鉛で遮蔽することが可能であり、 更にスケーラで長時間の積算計数もできるので、 検出感度が高い測定が可能となる。また、液体シンチレーションカウンタでスミアろ紙中の放射能を測定すれば、β線のエネルギーが極端に低くGM計数管による測定が困難な3Hの場合にも対応できる。スミア法の問題点は、 B の放射能汚染の測定に限られることと、 F ふき取り効率 の評価が難しいことである。 なお、スミア法では、ふき取り面積を10×10 cm2とすることが多く、ろ紙上の放射能測定値を(ふき取り面積x F ふき取り効率 ) で除して、 平均の表面汚染密度を評価する。

問3 次のI、 IIの文章の  □ の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 非密封放射性同位元素を使用する施設には、排気設備が設置されている。実験室内の空気中の放射性同位元素が付着したダストや粒子状の物質はプレフィルタと A HEPA フィルタにより捕集される。 A HEPA フィルタは、定格風量で粒径0.3μmの微粒子を99.97%以上の効率で捕集する。また、放射性ヨウ素を取り扱う施設ではあ B  活性炭 フィルタを排気設備に設置する。
排気設備のフィルタは性能維持のために定期的に交換し、 放射能測定の後、 ポリエチレンシートで密封して段ボール箱に入れ廃棄物の集荷まで保管する。 GM管式サーベイメータでフィルタを測定すると、 フィルタに吸着した空気中の天然ラドンの子孫核種(壊変生成物) の影響でバックグラウンドよりも計数率が高くなることがあることに注意すべきである。天然に存在するラドン同位体には、ウラン系列に属し半減期が  C 3.8日 の D 219Rnと、 トリウム系列に属し半減期が56秒の E 220Rn などがある。 D 222Rn の壊変生成物には214Pb(半減期27分)と214Bi(半減期20分)が、 E 220Rnの壊変生成物には F 212Pb (半減期10.6時間)と212Bi(半減期61分)があり、これらがフィルタに吸着していることがある。

II 標識化合物を長期保管する際には自己分解が問題になる。 3Hや14Cなどの標識化合物では、 自己分解によりラジカルや励起分子などが生成することがある。このため、標識化合物の保管に際して、遊離基捕捉剤を加える。 水溶液の場合には遊離基捕捉剤の G エタノール やベンジルアルコールなどを数% 程度加える。 また、ベンゼン溶液として保管することで自己分解が低減できる。
一般に有機化合物は低い温度で安定である。 しかし、 凍結によりクラスターが形成されるため、標識有機化合物では自己分解が促進することがある。 この影響は3H標識化合物で大きい。 このため、 3H標識化合物の水溶液は H 2~4 ℃、 ベンゼン溶液は I 5~10 ℃で保管する。
長期保管した標識化合物の使用に際しては、 あらかじめ標識化合物の化学的純度と放射化学的純度を確かめることが必要である。 放射化学的純度の検定には各種クロマトグラフイや J 同位体希釈分析法  が用いられる。

問4 次の1~3の文章は、 3H、 14C、 32P、 137Cs を使用しているある事業所での放射線管理及び測定についての日誌の一部である。 この1~3の文章の  □ の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 〇月x日 使用核種をそれぞれ1~10 kBq含むとみられる廃液(水溶液)について、 各核種の濃度を求めた。まず、廃液試料の一定量をプラスチック製容器にとり、そのまま A Ge半導体検出器によって B 137Cs の放射能濃度を求めた。B 137Cs を除去した後、蒸発法による前処理後、端窓型GM検出器で計数した。 さらに、試料とGM検出器間に適当な厚さのアルミニウム板を置いて計数し、 C 3H 以外の2核種を定量した。
先月半ばに新規に追加購入した液体シンチレーションカウンタの利用についても分析条件などの検討を継続した。昨日に続いて、 B 137Cs を除去した廃液試料の一部をとり、チェレンコフ光計測によるD 32P の定量を試みた。その結果は、以前より使用してきた液体シンチレーションカウンタによる測定あるいは端窓型GM検出器による測定の結果と、 誤差の範囲で一致した。

II Δ月口日 PHが1の塩酸酸性廃液(水溶液)1Lからの32P043一の除去に、  E アルミニウム 水酸化物の中性域での沈殿生成を利用した凝集沈殿法の適用を検討した。 塩酸以外の酸性成分の寄与は無視できるとした場合、中和するために必要な1%水酸化ナトリウム(式量40)水溶液(密度1.0g・cm-3)は F 400 mLとなる。中和に使用する1%水酸化ナトリウム水溶液のPHは G 13 を0.4ほど上回る。 このため、1%水酸化ナトリウム水溶液を過剰に加えてしまった場合、廃液が高pHとなり E アルミニウム の水酸化物沈殿の再溶解が起こる可能性がある。 再溶解を防ぐためには、 攪拌による混合の状況、 沈殿の生成の様子、 PHの変化などに気を配る必要がある。 なお、 室温および水温は25℃であった。

3 ▽月●日 作業者Xから液量10 mL程度の32Pを実験室から放流してしまったようだとの緊急の報告があった。 状況から、 放流された32Pは全て貯留槽A中の廃水に留まっており、 その最大量は30 MBqと見積もられた。
当初は、 10 m3の貯留槽A内にある廃水1m3を留め置き、 2週間後に排水する計画であった。 排水までの2週間は別の貯留槽Bを使用することとしていたが、 予想外の32Pの流入のため、 排水計画を変更することにした。この計画変更に当たり、流入後の貯留槽A中の廃水の容積は1m3とみなされ、かつ、 他の廃液の流入はないとした。 32Pの放流の事態が起こる前の貯留槽A中の廃水中の各核種の放射能濃度、 及び告示別表第2に定められた該当する化学形等での排水中の濃度限度は以下の表のとおりである。
表 告示別表第2に示す各核種の排水中の濃度限度、 及び廃水中の放射能濃度 (試料は▽月●日始業時に採取)

表の測定結果を得た時点では、廃水中の32Pの濃度は H 0.2 Bq・cm-3であったため、そのままでは排水できないが、 2週間後には特に希釈することなく排水できるはずであった。
32Pの予想外の流入のため、この排水計画を修正することとした。まず、実験計画とその進行状況を考慮して、2通りの方法で排水の可能性について試算した。1つは、直ちに希釈槽を利用して貯留槽A中の廃水を希釈の上、排水する場合である。この場合は、おおよそ I 100 倍に希釈すると、表に示した各核種の廃水中の放射能濃度を排水中の濃度限度で割つた値の合計がほぼ1となる。 もう1 つは、希釈しないで排水することとし、それまでは貯留槽Bを使用する計画である。この場合は、おおよそ J 110 日間、 廃水を貯留槽A中に留め置くことで、 表に示した各核種の廃水中の放射能濃度を排水中の濃度限度で割つた値の合計がほぼ1となる。 以上の希釈または減衰による放射能濃度の低下についての概算に基づいて、 両者を組み合わせての具体的な排水計画を立案することとした。 さらに、排水前に新たに廃水中の各核種の放射能濃度を測定して、排水可能であることを確かめてから排水することにした。

問5 次のI、 IIの文章の  □  の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 国際放射線防護委員会ICRPでは、放射線防護に用いる量として、複数の種類の線量からなる体系を勧告している。
放射線の影響を考えるための基本的な線量計測量は、 吸収線量である。 これに対し、 放射線防護の目的で確率的影響を評価する量としては、 組織・臓器の体積にわたって平均された吸収線量に放射線の線質や組織の感受性によって重みづけがなされた等価線量や実効線量を用いる。 これらを A 防護量 と呼ぶ。
 A 防護量 は線量計等で直接測定できない量であるため、 外部被ばくに係る実測が可能な量として、場のモニタリングに用いる周辺線量当量、方向性線量当量、個人モニタリングに用いる個人線量当量が導入されている。これらの量は、  B ICRU の定義に基づいており、  C 実用量 と呼ばれる。C 実用量 に関しての線質による加重として D 線質係数 が用いられる。放射線防護の目的を鑑み、 ほとんどの場合において、  C 実用量 は  A 防護量  を E 下回らない 値を示すように定められている。
場のモニタリングに用いる線量当量は、単純なファントムである、B ICRU球の深さdの線量当量の値に基づいて規定されている。 実効線量の管理にはd= ア 10  mmが、 また、現在の法令には取り入れられていないが、眼の水晶体の被ばくをモニタリングする目的ではd= イ 3 mmが勧告されている。

II 放射線防護の日的における確率的影響の評価はしきい値なし線形モデルに基づいている。このモデルの採用により、実効線量の計算において、外部被ばく・内部被ばく、全身被ばく・部分被ばくに起因する線量の加算が可能となっている。
ここで、 特定の複数の組織・臓器に対して限定的に吸収線量が与えられた場合を仮定して、等価線量及び実効線量を計算してみよう。皮膚の平均吸収線量としてβ線で50 mGy、γ線で50 mGy、肝臓の平均吸収線量としてα線で2mGy、 γ線で10 mGyの被ばくがあったとする。なお、それ以外の組織・臓器の被ばくは無視できるものとする。このとき、皮膚の等価線量は ウ 100 mSv、肝臓の等価線量は 50 mSv、 実効線量はオ 3.0 mSvである。 ただし、 放射線加重係数及び組織加重係数はICRP2007年勧告の値を用いるものとする。なお、皮膚及び肝臓の組織加重係数は、それぞれ0.01、 0.04である。

問6 次の文章の  □  の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを 1つだけ選べ。
ヨウ素は、 ヒトにとって必須元素である。 ヨウ素は、 ヨウ素デンプン反応や消毒薬として一般に知られるとともに、原子炉内等で製造した放射性ヨウ素は、医学などの分野で利用されている。単体のヨウ素は、常温、常圧では主に A 固体 であるが、 B 昇華 性がある。 ICRP Publication30の体内動態モデルでは経口摂取された放射性ヨウ素は、 消化管で吸収され血中に取り込まれた後、 3割が ア 甲状腺  に、 7割が イ 尿 に移行する。
放射性ヨウ素には複数の核種があり 、 医療で用いられる代表的な核種を半減期の長い順に並べると ウ 125I>131I>123I となる。 放射性ヨウ素で標識されたヨウ化ナトリウム溶液が入つたバイアル瓶を開封する場合には、 注射器を用いて  C 気体 状のヨウ素を取り除いておくことにより汚染事故防止につながる。 1251標識化合物を用いたトレーサ実験を実施する際には、 フードやグローブボックス内で取り扱うことに加えて、チャコール入りマスクの着用、鉛ブロック・鉛板の使用などにより被ばくの低減に努める。1251標識化合物15MBqを、0.02cmの鉛板で遮蔽し、 トレーサ実験を0.5時間行った際の外部被ばくの実効線量は、 この標識化合物を点線源とみなし、点線源から作業する人までの距離を50 cmとした場合、 エ 5.3×10^‐4 μSvと見積もられる。 ただし、 125Iの実効線量率定数は0.0126μSv・m2・MBq-1・h-1、 また、 125Iの0.02cmの鉛板に対する実効線量透過率は0.00141 とする。

まとめ

過去問は繰り返しやることで、

身に付きます。

最初1周目は大変ですが、

2周目3周目になると、

自分の実力が上がっていくのが実感できると思いますので、

がんばってください。

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