BNCTって
聞いたけど、
何かわからない
そう思われる方は多いと思います。
私もいろいろ調べてみましたが、
わかる範囲ですけど、
わかりやすく
説明できればと思いますので、
参考程度ですが、
ご覧いただけたらと思います。
BNCTとは
BNCTとは?
日本語で言うと、
ホウ素中性子捕捉療法となっています。
boron neutron capture therapy
の略ですが、
ホウ素と中性子を使った治療となります。
ホウ素と中性子ってぶつかると特別反応しやすいっていう
性質があって、
その反応の結果、リチウムとヘリウムになるんです。
この2つって、反応して超近い細胞1個分くらいまでをすごく傷つけるんです。
かといって、
リチウム電池とかヘリウムガスとかは、
また特徴が違いますので、勘違いしないでくださいね。
それはそれとして、
がん細胞にだけホウ素が取り込まれれば、
ホウ素は中性子と反応して、
がん細胞だけを傷つけるという、
ある意味理想的な治療です。
中性子線の治療ですが、
中性子線が直接がん細胞を傷つけるわけではなく、
間接的だと言えます。
BNCTは放射線治療と違う?
BNCTは、
放射線治療の一種です。
中性子線というのを使います。
放射線治療の最も一般的なものは、
エックス線治療ですが、
エックス線は、
表面近くの細胞を傷つけやすいため、
一方向から当てると、
表面側の正常の細胞が傷つけられてしまいます。
ですので、
いろんな方向から当てることで、
なるべく正常細胞の障害を抑えながら、
できるだけがん細胞に集中して線量が当たるようにしています。
ですが、
BNCTの場合は、
ホウ素ががん細胞だけにうまく取り込まれれば、
中性子線は、
そのホウ素と特別反応しやすいため、
正常細胞には障害が起こりにくいのです。
そういう意味から、
ホウ素を含む薬剤が
がん細胞だけに取り込まれるなら、
正常細胞を傷つけずに治療できるわけですから、
これから期待された治療とされています。
また、昔は中性子は原子炉でしかとることはできなかったのですが、
最近では加速器による中性子線が利用できるようになりましたので、
安全面からもこれから進歩していくことでしょう。
BNCTと陽子線治療は違う?
BNCTと陽子線治療ですが、
BNCTは先ほども述べたように、
中性子線をホウ素に当てる反応を利用するのですが、
中性子線はある意味
間接的な役割です。
一方、
陽子線治療は、陽子線自体が、
細胞を傷つけますので、
BNCTとはまったく違います。
陽子線の良い所は、
体の深い所で急激に細胞を傷つける力を発揮して、
さらに深い所までは届かないのです。
エックス線は、
表面近くで傷つける力が大きくて、
しかも、体の深い所に行くと
緩やかにその影響が下がっていくタイプですので、
エックス線よりは陽子線の方が理想的です。
エックス線は陽子線などよりは、
簡単に発生させられますので、
現在最もポピュラーな放射線治療と言えますが、
陽子線が普及すれば、そちらの方が効果はあると言えます。
また、BNCTはさらに理論的には、
陽子線よりも理想的な放射線治療ですので、
研究が進めば、末期がんも治療可能なんていう時代が来るかもしれません。
まとめ
BNCTは、
一般的な放射線治療とは違い、
装置も比較的大がかりになりますし、
限られた施設でしか行われないと思いますし、
費用もかなり大きくなるのは必至だと思いますが、
研究が進んで普及してくれることが期待されます。