私の過去問を使った勉強法です。
放射線取扱主任者試験で覚えることは、
結局のところ、過去物を解いていけば、
自然と身に付きます。
繰り返し過去問を解くことを優先させてしまった方が良いです。
正答のみをピックアップしたため、
これをさらっと読んだうえで問題を解いてみてください。
間違っていたらすみません。
第1種放射線取扱主任者試験化学1-10
2020化学
2020問1 半減期がTの親核種が、娘核種1と娘核種2に分岐壊変する。娘核種1への部分壊変定数がλ,であるとき、娘核種2への壊変の部分半減期を表す式は次のうちどれか。
3
2020問2 調製時に放射能が200 MBqであった68Ge (半減期271 日) 線源がある。現在の68Ga (半減期68分) の放射能を測定したところ0.20 MBqになっていた。調製時から何年経過しているか。最も近い値は次のうちどれか。
4 7.4
2020問3 核種X(半減期30分)と核種Y(半減期60分)の2種類の放射性核種がある。両核種の娘核種はいずれも安定核種である。はじめ(t=0)における核種Xと核種Yの放射能の和は12kBqであったが、60分後には3.5kBqとなった。t=0における核種Xの放射能[kBq]として最も近い値は、次のうちどれか。
5 10
2020問4 次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ただし、原子番号をZ、中性子数をNとする。
A 安定同位体では、ZとNがともに偶数のものが最も多い。
C ZとNの和が8となる安定同位体はない。
E ZとNが等しい安定同位体のうち、ZとNの和の最大値は40である。
3 ACEのみ
2020問5 次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
B 無担体の放射性核種は、その安定同位体を伴わない。
C β壊変する放射性核種の比放射能は、無担体のとき最大値となる。
3 BとC
2020問6 ある溶液中の33P濃度[Bq・mL-1]をGMカウンタで測定するため、以下の操作を実施した。33P濃度[Bq・mL-1]として最も近い値は、次のうちどれか。ただし、操作中の減衰は無視する。
操作A アルミニウム製の試料皿に溶液0.100 mLをとり蒸発乾固した。
操作B GMカウンタのバックグラウンドを100分間測定した。4,000カウントであった。
操作C 操作Aで得た試料を5分間測定した。2,500カウントであった。
操作D 33P(1kBq)の標準線源を試料と同じ位置で10分間測定した。10,000カウントであった。
なお、操作Aでの試料の損失、操作B~Dでの測定における数え落としや自己吸収は無視する。
4 4.8×103
2020問7 33Ca (半減期8.7分)を(n,γ)反応を利用して製造する。次のように照射条件を変更すると、照射終了直後の33Caの放射能が2倍以上増える組合せはどれか。ただし、記述以外の条件は同一とする。
A 照射するCaの質量を0.1gから1gに増やす。
B 照射する中性子フルエンス率を3倍に増やす。
2 ABのみ
2020問8 次の核反応のうち7Beを生成するものの組合せはどれか。
A 4He(α,n)
B 7Li(p,n)
D 12C(γ,αn)
2 ABDのみ
2020問9 次の核種のうち、熱中性子による235Uの核分裂で累積収率が5%以上で生成する核種の組合せはどれか。ただし、全収率を200%とする。
B 90Sr
E 137Cs
4 BとE
2020問10 次の元素のうち、安定同位体が1種類のみの元素の組合せはどれか。
A F
B Na
C Al
1 ABCのみ
第1種放射線取扱主任者試験化学11-20
2020問11 テクネチウムについての次の記述のうち、正しいものの組合せはどれかc
B 水溶液中ではTcO4-が安定である。
C 99Tcは235Uの核分裂で生成する。
3 BとC
2020問12 アクチノイドに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
B 238Uの比放射能は232Thの比放射能の約3倍である。
C 238Uの中性子捕獲で生成した239Uは239Npを経て、239Puとなる。
3 BとC
2020問13 次の放射性核種のうち、壊変して安定核種が生成するものの組合せはどれか。ただし、( )内は壊変様式を示す。
A 27Mg(β–壊変)
B 59Ni(EC壊変)
D 127Xe(EC壊変)
2 ABDのみ
2020問14 次の質量数順に並べられた核種のうち、放射性同位体、安定同位体、放射性同位体の順に並んでいるものの組合せはどれか。
B 36Cl 37Cl 38Cl
D 45Ca 46Ca 47Ca
E 74As 75As 76As
5 BDEのみ
2020問15 ウラン系列に属する核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
C 水中の222Rnはトルェンに抽出できる。
D 210Pbは湖底堆積物の堆積速度を求めることに利用される。
5 CとD
2020問16 壊変系列を作る天然放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A ウラン系列のはじめの核種から2回のα壊変と2回のβ–壊変を経て生成する核種は、トリウムの同位体である。
B ネプツニウム系列には、237Npより半減期の長い子孫核種がある。
D 半減期の最も長い鉛の放射性同位体は、ウラン系列に属する。
2 ABDのみ
2020問17 核医学における放射性核種の利用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
C 陽電子を放出する11C、13N、15O、18Fは加速器で製造される。
D ラジオイムノアッセイは同位体希釈法の一種である。
5 CとD
2020問18 試料中の核種の原子数比が、数億年以上経過した岩石の年代測定に使われるものとして、正しいものは次のうちどれか。
3 40Arの原子数と40Kの原子数の比
2020問19 次の放射性同位元素で標識された気体のうち、水上置換法で捕集するのに適している気体として正しいものの組合せはどれか。
A [3H]水素
C [14C]一酸化炭素
D [15O]酸素
2 ACDのみ
2020問20 溶液中にイオンとして存在する放射性核種が溶液に浸した金属板表面に析出するのは、次のうちどれか。
放射性核種 金属板
2 64Cu2+ Zn
第1種放射線取扱主任者試験化学21-30
2020問31 次の I ~Ⅲの文章の□の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを 1つだけ選べ。
I 放射線の生物作用を理解する上で、遺伝情報を担うDNAの構造を理解することが重要である。
DNAはデオキシリボース、リン酸、塩基から構成される。塩基には4種類があり、そのうちグアニンは向かい合った鎖の ( A 6シトシン)と( B 3 3 )個の( C 4 水素 )結合で結ばれ、塩基対を形成する。下の図1のa~fのうち、グアニンと( A 6シトシン)との塩基対を正しく表しているのは ( D 3 c) である。ただし、図1では炭素原子および炭素原子に直接結合した水素原子は省略してある。また、二重の波線はデオキシリボースに結合していることを示す。
[
Ⅱ 放射線によって生じるさまざまなDNA損傷の中で、DNA2本鎖切断は最も重篤なものと考えられている。ヒトの正常二倍体細胞に1Gyのγ線を照射すると、細胞1個当たり約 ( E 2 40 ) 個のDNA2 本鎖切断が生じる。DNA2本鎖切断の ( F 2非相同末端結合) 修復に関わるDNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット(DNA-PKcs)遺伝子に変異を有するマウスやヒ トは細胞の放射線致死高感受性に加え、( G 6 免疫)機能の異常を呈する。これはV(D)J組換えと呼ばれる ( H 4抗体) 遺伝子の再編成過程において ( F 2非相同末端結合) が関わるためである。
Ⅲ 細胞の放射線致死高感受性と( G 免疫) 幾能の異常を呈するヒト遣伝病の原因遺伝子の1つとしてArtemisと呼ばれるものがある。Artemis遺伝子から作られるメッセンジャーRNA(mRNA)とタンパク質をそれぞれArtemis mRNA、Artemisタンパク質と呼ぶことにする。
なお、以下において、タンパク質のアミノ酸の数え方は、タンパク質合成が開始されるコドンに対応するアミノ酸を1個目とし、以下、タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように数えることとする。また、mRNAの塩基の番号は、タンパク質合成が開始されるコドンの1番目の塩基を1番とし、以下、タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように付けることとする。下の表1はコドンとアミノ酸との対応を示したもので、遺伝暗号表あるいはコドン表などと呼ばれる。
表1
ヒト遣伝病患者で見られるArtemis遺伝子の変異の1つにArtemismRNAの173番のCがUに変化するものがある。図2は正常なArtemis mRNAの171番から180番までの塩基配列を示したものである。正常なArtemisタンパク質では、( Ⅱ2 58)個目のアミノ酸は( ア ア11トレオニン ) であるが、この変異を持つmRNAから作られるタンパク質では、( I )個目のアミノ酸は( イ イ4イソロイシン )ある。このような変異を( ウ ウ3ミスセンス )変異という。
GACUAAGGAG
図2
また、別の例として、Artemis mRNAの759番のGが欠失するものがある。図3は正常なArtemis mRNAの751番から850番までの配列を示したものである。なお、塩基の番号を数えやすいように10塩基ごとに空白を挿入している。この変異を持つmRNAから作られるタンパク質は(J2 253 )個目のアミノ酸まで正常Artemisタンパク質と同じ配列を持つが、そこからァミノ酸配列が大きく異なり、( K4 276)個のアミノ酸からなるタンパク質が作られる。このような変異を ( エ4フレームシフト )変異という。
751番から780番まで781番から810番まで811番から840番まで841番から850番まで
2020問32 次のI、Ⅱの文章の□の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。ただし、解答群の選択肢は必要に応じて2回以上使ってもよい。
I 細胞は分裂を繰り返して増殖しており、分裂から次の分裂までの期間を細胞周期と呼ぶ。細胞周期のうち、クロマチンが凝縮して染色体となり細胞が2つに分裂する時期をM期(分裂期)、M期の終了から次のM期の開始までの期間を間期と呼ぶ。間期はさらに細分されDNAを( A 1 複製) する時期をS期、S期の前の時期をG,期、S期の後の時期をG2期と呼ぶ。細胞の放射線致死感受性はこの周期の中で大きく変化する。培養ヒト正常細胞にγ線を1Gy・min-1の線量率で照射した場合、M期が最も感受性が ( ア1高 )く、S期の後半からG2期は最も感受性が ( イ2低 )い。これはDNA修復能の変化と関係すると考えられている。実際にDNA2本鎖切断の修復に働く機構の1つである ( B 6 非相同末端結合修復) が細胞周期全体で働くのに対し、S期後半からG2期ではこれに加えて (C 5 相同組換え修復)も働くことが分かっている。これは (C 5 相同組換え修復)が修復時の鋳型として、傷害部分と相同な配列を持つDNA鎖を必要とするためである。相同な配列を持つDNA鎖としては主として D D13姉妹染色分体)が用いられる。ヒ ト正常細胞では一般的に細胞周期の中で (ウ 1 G1期)、またはG0期 (休止期若しくは静止期) に存在する細胞の割合が高いことから、この2種類のDNA2本鎖切断修復機構のうち (E 6非相同末端結合修復)のほうが主体となる。
Ⅱ 放射線被ばく後の細胞死の様式として、( F 3 分裂死)と( G 5 間期死 )に分類することがある。M期を経てから死ぬことを ( F 3 分裂死) と呼び、M期に至る前の間期に死ぬことを( G 5 間期死 )という。培養ヒト正常線維芽細胞が数Gy程度被ばくした場合にはこれらのうち(H 3 分裂死 )が主となる。生体の組織では一般に細胞増殖が盛んで細胞の入れ替わりの激しい腸上皮のような組織に比べて、筋肉のように分裂頻度の低い組織は放射線に対する感受性が ( エ 2 低 ) い。同じ組織の中でも幹細胞に比べて、分裂していない機能細胞は、放射線致死感受性が( オ 2 低)いことが多い。しかしながら、末梢血リンパ球は、分裂していない機能細胞であるにもかかわらず放射線致死感受性が( カ 1 高)い。これは、( I 2 アポトーシス)、という能動的な死の機構が被ばくをきっかけとして発現するためである。