私の放射線取扱主任者試験の勉強法です。
放射線取扱主任者試験は、合格率が20%から30%ということが多く、
比較的難しい試験です。
ですが、しっかり繰り返し過去問をやりさえすれば、
十分合格できる試験です。
私は、過去問の選択肢を見ると記憶があいまいになるため、
視覚的に覚えられるように
最初は問題を解きますが、
2周目3周目は下記のように正しい選択肢のみにして勉強しています。
取り消し線で消しても良いと思います。
もしよかったらご参考にしてみてください。
試験を受けてからだいぶ時間が経っているため、
外れているところもあるかもしれませんが、ご了承ください。
を参考にしています。
自分用に作成したものですので、誤っている部分や
コピペがうまくいっていない箇所もあるかと思いますので、ご了承ください。
放射線取扱主任者試験生物1~10
問1 核医学診療で行われる検査・治療とそれに用いられる核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 123Iは、甲状腺機能検査に用いられる。
B 131Iは、甲状腺がんの治療に用いられる。
C [18F]FDG(フルオロデオキシグルコース)は、悪性腫瘍検査に用いられる。
D [90Y]抗CD20抗体は、B細胞悪性リンパ腫の治療に用いられる。
5 A B C Dすべて
問2 標識化合物とその用途として、 正しいものの組合せは次のうちどれか。
A [14C]チミジン – DNAの合成量の測定
B [35S]メチオニン – タンパク質の合成量の測定
C [51Cr]クロム酸ナトリウム – 赤血球の寿命の測定
1 ABCのみ
問3 10 Gyのγ線急性全身被ばく によって24時間以内に発生することを想定すべき症状として正しいものの組合せは次のうちどれか。
A 下痢
B 意識障害
C 嘔吐
1 ABCのみ
問4 ヒ トがγ線急性全身被ばく を受け、 治療を行わなかった場合の線量、 死亡時期と死因の関係に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
B 5Gyの全身被ばくにより30日程度で骨髄死となる。
C 20 Gyの全身被ばくにより10日程度で腸死となる。
3 BとC
問5 ヒトが全身に5Gyの急性γ線被ばくをうけた場合、末梢血中の次の血球成分のうち、最も早期に減少するものはどれか。
2 リンパ球
問6 原爆被爆者の疫学調査で、 次の部位のうち発がんの過剰相対リ スクが最も高いものはどれか。
4 女性乳房
問7 皮膚の薄い身体部位において、皮膚の表面から基底細胞層までの平均的深さとして最も適切なものは次のうちどれか。
2 30-300µm
問8 自然放射線被ばくに関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 宇宙線による被ばくの実効線量は、 高度が同じであれば緯度が高いほど大きい。
B 地表面での宇宙線による被ばくの実効線量には、主にミュ一粒子が寄与している。
1 AとB
問9 人工放射線に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 全世界の原子力施設からのトリチウムの年間排出量合計は、宇宙線による自然界の年間生成量より少ない。
C 大気圈内核実験に起因する1人当たりの年間被ばくの実効線量の世界平均が約0.1mSvとなった時期がある。
D 現在の1人当たりの年間被ばくの実効線量の世界平均において、 大気圏内核実験に起因する被ばくの寄与は、原子力発電による被ばくの寄与より大きい。
3 ACDのみ
問10 骨髓に吸収線量が0.5mGyのβ線による被ばく、 肝臓に吸収線量が0.05mGyのα線による被ばくがあった場合を想定する。このときの実効線量[mSv]として、最も適切な値は次のうちどれか。
ただし、骨髄及び肝臓の組織加重係数を、それぞれ0.12、0.04とし、他の放射線による被ばく、及び他の組織・臓器への被ばくは考えないものとする。
3 0.10
放射線取扱主任者試験生物11~20
問11 食品1kg中に含まれるカ リ ウム40の放射能濃度[Bq・kg-1]が、 少ない順に正しく並べられたものは、次のうちどれか。
1 トウモロコシ油 < うるち米 < じゃがいも < 素干し昆布
問12 次の放射性核種のうち、 骨親和性核種として正しいものの組合せはどれか。
A 32p
C 90Sr
D 226Ra
3 ACDのみ
問13 放射線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 乾燥状態にすると直接作用が主となる。
B 温度を下げると直接作用の寄与が大きくなる。
C グルタチオンは間接作用を減少させる。
D 酸素分圧が低くなると間接作用の寄与が小さくなる。
5 ABCDすべて
問14 1Gyのγ線を培養細胞に照射するときに、 1細胞当たりに生じるDNA2本鎖切断の数量を減らすものの組合せは次のうちどれか。
A 温度を下げる。
C エチルアルコールを加える。
3 ACのみ
問15 生体物質の水溶液への放射線照射によって生じる活性種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 水素ラジカルはDNAなどの生体分子からの水素引き抜き反応を起こす。
C 水和電子には還元作用がある。
1 AとC
問16 DNA損傷に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
C γ線によるDNA2本鎖切断の収率はチミン塩基損傷の収率より小さい。
D γ線によるDNA-タンパク質間架橋の収率はDNA2本鎖切断の収率より大きい。
4 CDのみ
問17 急性γ線被ばくによる精巣および精子の障害に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 精子形成過程で最も放射線致死感受性が高いのは精原細胞である。
C 精原細胞はセルトリ細胞よりも放射線致死感受性が高い。
1 AとC
問18 放射線照射によって誘発されるアポトーシスに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 染色体DNAの断片化が起こる。
B 染色質(クロマチン)の凝縮が観察される。
C ミトコンドリアの膜電位が変化する。
1 ABCのみ
問19 放射線による染色体異常に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
C G1期の被ばくでは主に染色体型異常が生じる。
D G2期の被ばくでは主に染色分体型異常が生じる。
5 CとD
問20 放射線による染色体異常に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 二動原体染色体は不安定型異常に分類される。
B 転座は安定型異常に分類される。
C 転座に比べて二動原体染色体の方が、 被ばく後早期の線量推定によく用いられる。
D 二動原体染色体に比べて転座の方が、 がんの原因となる可能性が高い。
5 ABCDすべて
放射線取扱主任者試験生物21~30
問21 正常ヒ ト線維芽細胞に4Gyのγ線照射を行った場合、 次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。 ただし、特に断わらない場合、線量率は1Gy・min-1で、 1回で照射を行うものとする。
B 1Gy・h-1の線量率で照射した場合、 1Gy・min-1の線量率で照射した場合に比べて生存率が高い。
C 無酸素下で照射した場合、 通常酸素濃度下で照射した場合に比べて生存率が高い。
D 炭素イオン線 (ブラッグピーク部) を4Gy照射した場合に比べて生存率が高い。
5 BCDのみ
問22 直線-二次曲線(LQ)モデルに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
C 早期反応は晩期反応に比べてα/β比が大きい。
D 原爆被爆者における被ばく線量と白血病の過剰絶対リスクの関係は、 直線モデルより直線-二次曲線(LQ)モデルによくあてはまる。
4 CDのみ
問23 γ線によるヒ トの胎内被ばく の影響に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
B 受精後8日までに2.0 Gy被ばくすると胚死亡が増加する。
C 受精後1月に2.0 Gy被ばくすると奇形発生が増加する。
D 受精後3月に1.0 Gy被ばくすると精神発達遅滞が増加する。
4 BCDのみ
問24 次の放射線障害のうち、 主に毛細血管の閉塞によるものの組合せはどれか。
A 放射線脊髄症
D 皮膚の晩発性難治性潰瘍
E 消化管穿孔
3 ADEのみ
問25 ヒ トの自然突然変異の頻度を1世代、 1遺伝子座位当たり2.95×10 -6、 および放射線誘発突然変異の頻度を1世代、 1遺伝子座位当たり3.6×10 -6Gy-1としたとき、 放射線誘発突然変異の倍加線量[Gy]として、最も近い値は次のうちどれか。
2 0.82
問26 放射線による遺伝性(的)影響に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A マウス実験で見られた放射線誘発突然変異は、潜性(劣性)が多い。
C 倍加線量が小さいほど、 遺伝性(的)影響が起こりやすいことを意味する。
D 原爆被爆者の追跡調査において、 遺伝性(的)影響の有意な増加は確認されていない。
3 ACDのみ
問27 毛細血管拡張性運動失調症およびその原因遺伝子から作られるATMタンパク質に関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 毛細血管拡張性運動失調症は常染色体潜性(劣性)遺伝様式を示す。
B 毛細血管拡張性運動失調症の患者は高発がん性を示す。
C 毛細血管拡張性運動失調症の患者由来の線維芽細胞は細胞周期チェックポイントに異常を示す。
D ATMタンパク質はp53タンパク質などをリン酸化する酵素活性を持つ。
5 ABCDすべて
問28 LETに関する次の記述のうち、 正しいものの組合せはどれか。
A 高LET放射線は、低LET放射線よりも細胞致死作用の線量率効果が小さい。
D 高LET放射線は、低LET放射線よりも生存率曲線の肩が小さい。
3 ADのみ
問29 培養ヒト線維芽細胞に対して線質Aの放射線と線質Bの放射線を照射した後の生存率を求めたところ、 下のグラフの結果を得た。 線質Aの放射線を基準放射線としたとき、 生存率が0.01および0.1のときの線質Bの放射線の生物学的効果比 (RBE) について、最も適切な値の組合せは次のうちどれか。
生存率0.01のRBE 生存率0.1のRBE
4 2.7 3.3
問30 放射線を用いたがんの治療に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 重粒子線は低酸素環境のがん細胞にも有効である。
C 192Irは密封小線源として用いられる。
D 223Raは核医学治療(内用療法)に用いられる。
3 ACDのみ
放射線取扱主任者試験生物31,32
問31 次の I ~Ⅲの文章の□の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを 1つだけ選べ。
I 放射線の生物作用を理解する上で、 遺伝情報を担うDNAの構造を理解することが重要である。
DNAはデオキシリボース、リン酸、塩基から構成される。塩基には4種類があり、そのうちグアニンは向かい合った鎖の ( A 6シトシン)と( B 3 3 )個の( C 4 水素 )結合で結ばれ、 塩基対を形成する。 下の図1のa~fのうち、 グアニンと( A 6シトシン)との塩基対を正しく表しているのは ( D 3 c) である。 ただし、 図1では炭素原子および炭素原子に直接結合した水素原子は省略してある。 また、 二重の波線はデオキシリボースに結合していることを示す。
[
Ⅱ 放射線によって生じるさまざまなDNA損傷の中で、DNA2本鎖切断は最も重篤なものと考えられている。 ヒトの正常二倍体細胞に1Gyのγ線を照射すると、細胞1個当たり約 ( E 2 40 ) 個のDNA2 本鎖切断が生じる。 DNA2本鎖切断の ( F 2非相同末端結合) 修復に関わるDNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット(DNA-PKcs)遺伝子に変異を有するマウスやヒ トは細胞の放射線致死高感受性に加え、( G 6 免疫)機能の異常を呈する。 これはV(D)J組換えと呼ばれる ( H 4抗体) 遺伝子の再編成過程において ( F 2非相同末端結合) が関わるためである。
Ⅲ 細胞の放射線致死高感受性と( G 免疫) 幾能の異常を呈するヒト遣伝病の原因遺伝子の1つとしてArtemisと呼ばれるものがある。 Artemis遺伝子から作られるメッセンジャーRNA(mRNA)とタンパク質をそれぞれArtemis mRNA、 Artemisタンパク質と呼ぶことにする。
なお、以下において、タンパク質のアミノ酸の数え方は、タンパク質合成が開始されるコドンに対応するアミノ酸を1個目とし、以下、タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように数えることとする。 また、 mRNAの塩基の番号は、 タンパク質合成が開始されるコドンの1番目の塩基を1番とし、 以下、 タンパク質合成が進行する方向に向かって増えるように付けることとする。 下の表1はコドンとアミノ酸との対応を示したもので、 遺伝暗号表あるいはコドン表などと呼ばれる。
表1
ヒト遣伝病患者で見られるArtemis遺伝子の変異の1つにArtemismRNAの173番のCがUに変化するものがある。 図2は正常なArtemis mRNAの171番から180番までの塩基配列を示したものである。 正常なArtemisタンパク質では、( I I2 58)個目のアミノ酸は( ア ア11トレオニン ) であるが、 この変異を持つmRNAから作られるタンパク質では、( I )個目のアミノ酸は( イ イ4イソロイシン )ある。 このような変異を( ウ ウ3ミスセンス )変異という。
GACUAAGGAG
図2
また、 別の例として、 Artemis mRNAの759番のGが欠失するものがある。 図3は正常なArtemis mRNAの751番から850番までの配列を示したものである。 なお、塩基の番号を数えやすいように10塩基ごとに空白を挿入している。 この変異を持つmRNAから作られるタンパク質は(J2 253 )個目のアミノ酸まで正常Artemisタンパク質と同じ配列を持つが、 そこからァミノ酸配列が大きく異なり、 ( K4 276)個のアミノ酸からなるタンパク質が作られる。 このような変異を ( エ4フレームシフト )変異という。
751番から780番まで781番から810番まで811番から840番まで841番から850番まで
問32 次のI、 Ⅱの文章の□の部分について、解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。 ただし、解答群の選択肢は必要に応じて2回以上使ってもよい。
I 細胞は分裂を繰り返して増殖しており、 分裂から次の分裂までの期間を細胞周期と呼ぶ。 細胞周期のうち、クロマチンが凝縮して染色体となり細胞が2つに分裂する時期をM期(分裂期)、M期の終了から次のM期の開始までの期間を間期と呼ぶ。間期はさらに細分されDNAを( A 1 複製) する時期をS期、 S期の前の時期をG,期、 S期の後の時期をG2期と呼ぶ。 細胞の放射線致死感受性はこの周期の中で大きく変化する。培養ヒト正常細胞にγ線を1Gy・min-1の線量率で照射した場合、M期が最も感受性が ( ア1高 )く、 S期の後半からG2期は最も感受性が ( イ2低 )い。 これはDNA修復能の変化と関係すると考えられている。 実際にDNA2本鎖切断の修復に働く機構の1つである ( B 6 非相同末端結合修復) が細胞周期全体で働くのに対し、S期後半からG2期ではこれに加えて (C 5 相同組換え修復)も働くことが分かっている。 これは (C 5 相同組換え修復)が修復時の鋳型として、 傷害部分と相同な配列を持つDNA鎖を必要とするためである。 相同な配列を持つDNA鎖としては主として D D13姉妹染色分体)が用いられる。ヒ ト正常細胞では一般的に細胞周期の中で (ウ 1 G1期)、またはG0期 (休止期若しくは静止期) に存在する細胞の割合が高いことから、 この2種類のDNA2本鎖切断修復機構のうち (E 6非相同末端結合修復)のほうが主体となる。
Ⅱ 放射線被ばく後の細胞死の様式として、( F 3 分裂死)と( G 5 間期死 )に分類することがある。 M期を経てから死ぬことを ( F 3 分裂死) と呼び、M期に至る前の間期に死ぬことを( G 5 間期死 )という。培養ヒト正常線維芽細胞が数Gy程度被ばくした場合にはこれらのうち(H 3 分裂死 )が主となる。 生体の組織では一般に細胞増殖が盛んで細胞の入れ替わりの激しい腸上皮のような組織に比べて、筋肉のように分裂頻度の低い組織は放射線に対する感受性が ( エ 2 低 ) い。 同じ組織の中でも幹細胞に比べて、 分裂していない機能細胞は、放射線致死感受性が( オ 2 低)いことが多い。しかしながら、末梢血リンパ球は、分裂していない機能細胞であるにもかかわらず放射線致死感受性が( カ 1 高)い。 これは、( I 2 アポトーシス)、という能動的な死の機構が被ばくをきっかけとして発現するためである。