私の放射線取扱主任者試験の勉強法です。
放射線取扱主任者試験は、合格率が20%から30%ということが多く、
比較的難しい試験です。
ですが、しっかり繰り返し過去問をやりさえすれば、
十分合格できる試験です。
私は、過去問の選択肢を見ると記憶があいまいになるため、
視覚的に覚えられるように
最初は問題を解きますが、
2周目3周目は下記のように正しい選択肢のみにして勉強しています。
取り消し線で消しても良いと思います。
もしよかったらご参考にしてみてください。
試験を受けてからだいぶ時間が経っているため、
外れているところもあるかもしれませんが、ご了承ください。
を参考にしています。
自分用に作成したものですので、誤っている部分や
コピペがうまくいっていない箇所もあるかと思いますので、ご了承ください。
放射線取扱主任者試験実務1
問1 次の文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
Ge半導体検出器を用いて放射性同位元素が放出する光子の波高分布を測定する場合を考える。
図に 28Al線源を用いて測定した場合に得られる波高分布の一例を示す。 ただし、 28Al は半減期2.241分でβ‐壊変し、 最大エネルギー2.863MeVのβ‐線および1.779MeVのγ線を放出する。 それぞれの分岐比は 100%である。
矢印①の波高分布は、 入射光子の( A 8全吸収ピーク)を示し、 入射光子が直接 ( B 2 光電効果) を起こすか、 あるいは、何回かの C C3コンプトン散乱)でエネルギーの一部を失った後、 ( B 2 光電効果) で全エネルギーを失う場合に対応する。 矢印②は反跳電子の (D 4コンプトン端)を示し、 そのエネルギーは ア 9 1.556)MeVに相当する。 この反跳電子と同時に散乱された光子のエネルギーは、 図中の2つの矢印 (イ 1 ①と②)のチャネルの差分に相当する。
矢印③及び④の波高分布は、相互作用の ( E 5 電子対生成) に起因しており、矢印④の波高分布は (F 10ダブルエスケープピーク)を示す。 また、 矢印①よりも大きいチャネルの波高は、 主にパルス信号の( G 7パイルアップ)によるものである。
放射性核種28Alは、熱中性子照射による27A1(n,γ)28A1反応により生成される。 生成後に20分間の測定で ( A 8全吸収ピーク) の正味の全計数が40,000である場合、測定開始時における28Al線源の放射能は (ウ 1 0.206)MBqとなる。ただし、数え落としは無視できるものとし、このときの計数効率を0.001とする。
2000
1
チャネル番号
図
[解答]A8全吸収ピークB2光電効果C3コンプトン散乱D4コンプトン端E5電子対生成F10ダブルエスケープピークG7パイルアップア9 1.556イ1 1と2ウ1 0.206
1 レイリー散乱
4 コンプトン端
7 パイルアップ
10 ダブルェスケープピーク<アの解答群>
2 光電効果
5 電子対生成
8 全吸収ピーク
11 消滅放射線ピーク
3 コンプトン散乱
6 ラザフオード散乱
9 シングルェスケープピーク12 後方散乱ピーク
1 0.206
6 1.022
<イの解答群>
1 ①と②<ウの解答群>
1 0.206
6 1.022
2 0.223 7 1.268
2 ②と③
2 0.223 7 1.268
3 0.255 8 1.500
3 ③と④
3 0.255 8 1.500
-2-
4 0.511 9 1.556
4 ④と⑤
4 0.511 9 1.556
5 0.757
10 1.779
5 ⑤と⑥
5 0.757
10 1.779
放射線取扱主任者試験実務2
問2 次の文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
放射性壊変は偶発的な過程であり、 こうした壊変に際して放出された放射線の測定値は統計的揺動の影響を避けることはできない。したがって、 同じ条件で複数回の計数測定を繰り返しても、 測定値は、 必ずしもその都度同じとはならず、 個々の測定値の頻度分布の性質について知識を深めておくことが測定値の評価や計数時間の適正化にとって重要である。 これらの測定値は、 半減期が計数時間に比べて十分長く、 全壊変に対する個々の計数値の割合が十分小さいという条件の下では、 ( A 5 二項分布 )から導かれる ( B 4 ポアソン分布 ) に従う。さらに、計数の頻度分布の平均値が極端に小さくなければ、より取り扱いが便利なガウス分布により計数値のばらっきを評価する。ちなみに、( A 5 二項分布 )と( B 4 ポアソン分布 )は、整数のみの非連続変数に対して適用され、 分布の形は左右非対称であるのに対して、 ガウス分布は取りうる変数として任意の実数が適用可能で、左右対称である。なお、ガウス分布は ( C 3正規分布) とも呼ばれ、 計数値nに対するガウス分布関数G(n)は、 次式により与えられる。
G(n)=1/σ√2π exp{-(n-m)^2/2σ^2} (1)
ここで、 mは平均値で、 σは標準偏差である。 σ2のことを( D3分散 )という。
このような統計的揺動に起因する不確実性は、 同一条件で多数回の測定を繰り返すことによってその概要を評価できるが、 多数回の測定を繰り返すことは、 必ずしも現実的ではない。 そのため、壊変の偶発性から導かれた上記の統計理論モデルを活用して、 その統計的不確かさを推定する。 計数の統計的揺動がガウス分布に従うとした場合、 時間tの間に計数nを得たとすれば、 その標準偏差σは、σ=√m≈√nとして求められる。通常は、統計的不確かさを考慮し、計数値をn±σと表記することが多い。 これは統計的揺動の影響を受けないと仮定した場合の真の計数が、 m-σとm+σの間 (これを( E 9信頼区間)という。) に入る確率(信頼度)が68%であることを意味する。特別に記述しない限り、こうした統計的不確かさの指標として、標準偏差で記述することが多いが、信頼の水準を高めるため、標準偏差σに替えて ( F 2包含係数) (信頼度係数ともいう。) kを乗じた数、 ±kσで統計的不確かさを表記することもある。この場合、真の計数が、m-kσからm+kσの間の ( C 3正規分布) に入る確率は、 W(kσ)=∫G(n)dnとなる。 任意のkに対してW(kσ)の値を計算することは必ずしも容易ではないが、種々のkに対する数値表は多くの統計学の本に記載されていて、通常は次の数値を記憶しておくのがよい。
W(1σ)s0.68, W(1.65σ)s 0.90, W(2σ)f-0.95, W(3σ、)s0.997
なお、統計的不確かさの指標として、標準偏差(k=1)以外を用いた場合には、 F 2 包含係数 k、あるいは信頼度W(kσ)×100[%]を明記しておく必要がある。
測定時間tの間に計数値.nカウントを得たとすれば、 これらの値から得た計数率r=n/tの標準偏差σrは (ア 6 √ r/t )、 相対標準偏差σr/rは (イ4 1/√rt) となる。したがって、 計数率測定の統計精度を改善するためには、測定時間を長くとり、計数値を大きくする。
計数時間が Tの場合の計数率測定において、 信頼度68% (標準偏差) で評価した相対不確かさが3.2%の結果が得られた。この場合、信頼度95%(2σ)で評価した相対不確かさが3.2%の結果を得ようとすると、計数時間を (ウ4 4T ) にする必要があり、 このときの総計数値は約 (エ3 3,900)と推定される。
[解答]A5 二項分布 B4ポアソン分布C3正規分布D3分散E9信頼区間F2包含係数ア6 √ r/t イ4 1/√rtウ4 4T エ3 3,900
1 信頼度分布
4 ポアソン分布
7 カイ二乗(χ2)分布
1 信頼度
6 統計
<ア、イの解答群>
1
1 、「r
vr
f6
t
<ウの解答群>
1 0.5T
6 10T
<エの解答群>
1 1,000
2 包含係数7 自由度
2 2T
2 1,900
2 ボルツマン分布5 二項分布
3 分散8 危険度
3 3:71
3 3,900
4
3 正規分布
6 マクスウェル分布
4 不確かさ9 信頼区間
4 4T
5 9,900
[解答]
放射線取扱主任者試験実務3
問3 非密封の64Cuを使用する事業所がある。 次のⅢの文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 半減期12.7時間の64Cuは、 陽電子 (Emax=0.653MeV) の他にβ‐線 (Emax=0.579MeV) やγ線(1.346MeV) を放出する。 PETイメージングのみならず、治療薬剤としての応用が期待されている放射性核種である。 64Cuの製造には、 荷電粒子や中性子を用いた核反応が使われる。 中性子を利用した製造では、安定同位体64Znに速中性子を照射して ( A3 (n,p) )反応が、無担体の64Cuを作るのに適している。
速中性子照射で生成する放射性核種の放射能は、nfσ× ( B5 (1-e-λt) )で求めることができる。 ここで、nは標的核の数、fは速中性子フルエンス率、 σは中性子核反応断面積、 λは生成核の壊変定数、tは照射時間である。 B を飽和係数といい、 照射時間tが生成核の半減期と等しいときは0.5 となり、 半減期に対して十分に短い場合には( C C9 λt )と近似できる。
天然同位体存在度の金属亜鉛の箔(原子量65.4)654mgを速中性子フルエンス率5.0×10 13cm-2・s-1 で76分間照射した直後の64Cuの生成放射能A(64Cu)は、おおよそ(D4 3.7×108 )Bqである。 この計算に必要なパフメータを下表に示す。
1 (n,α) 2 (n,γ) 3 (n,p) 4 (n,2n) 5 (n,pn)
1 (1_eλt)
5 (1_e-λt)
1 5_2×10 6
l
2 (1-e:1・t)
2
6 (1-e t)
10 -,1t
2 7.5×10 7
λ
3 (1_et)
λ
7 —
t
3 1.2×10 8
li
1
4 (1-e-λt)
λ
8 –
t
4 3.7×10 8
[解答]A3 (n,p) B5 (1-e-λt) C9 λt D4 3.7×108
Ⅱ 照射したZnターゲットから64Cuを無担体で化学分離する操作を行う。 非密封の放射性同位体を使った化学操作になるので、 あらかじめ器具の扱いや操作手順を習得するためのコールドランを行うことは必須である。 ポリエチレンろ紙を内壁に貼ったフード内で、 照射カプセルを開けてピンセットまたはトングを使ってZnターゲットを取り出す。 Znターゲットには、64Cuと同時に生成した63Zn(半減期38分)や65Zn(半減期244日)なども含まれている。照射後の放射線強度の高いターゲットを扱う作業は、 外部被ばくによる事故を防ぐために遮蔽材で遮蔽をして、 十分な距離を保ち迅速に行う必要がある。 β線を遮蔽しっつ、視認性を確保するために厚さ約10 mmの ( E 2 アクリル板) ついたてを置く。 さらに ( E 2 アクリル板) ついたてと作業者の間に鉛ブロツクを置いて、 γ線や制動放射線を遮蔽する。 作業中は空間線量率を(F1 GM管式)サーベイメータで測定する必要がある。
取り出したZnターゲットをビーカーに入れて、6mo1・L-1塩酸を滴下しながら完全に溶解すると、 Zn(Ⅱ)イオンとCu(Ⅱ)イオンは ( G 4クロロ錯イオン) を形成する。 これをあらかじめ6mol・L-1塩酸で前処理した ( H 2 強塩基性陰イオン交換樹脂) カラムに流すと、 両者はいったんカラムに吸着する。 Cu(Ⅱ)イオンとZn(Ⅱ)イオンは、 溶離液の酸濃度を薄くすることでCu(Ⅱ)イオンがZn(Ⅱ)イオンよりも先に溶出するので無担体で分離できる。
溶離した64Cu溶液を別のフードに移して、64Cuの標識化の作業を引き続き行う。4.0×10 8Bq の64Cu溶液を扱う化学実験での外部被ばくを考える。 64Cu溶液と作業従事者の間に一切の遮蔽材がない場合、64Cu溶液からの距離0.5m、作業時問2時間、64Cuの実効線量率定数0.026µSv・m2・MBq-1・h-1とすると、外部被ばくの実効線量は(I 3 83)µSvとなる。 実験作業中は、先の化学分離と同様に(E 2 アクリル板)ついたてや鉛ブロツクで遮蔽をする。実験終了後には、 フード内や床、使用したゴム手袋などに汚染があるかどうかを ( F1 GM管式 ) サーベイメータで測定する。
1 パラフィン製
4 銅板
1 GM管式
4 ZnS(Ag)シンチレーション式
1 ヒドロキシ錯イオン
4 クロロ錯イオン
1 アルミナ
4 強酸性陽イオン交換樹脂
2 アクリル板
5 コンクリート製
2 電離箱式
5 3He比例計数管式2 アンミン錯イオン5 アコ錯イオン
3 鉄板
3 BF3比例計数管式
3 シアノ錯イオン
4 120
5 148
[解答]E2 アクリル板F1 GM管式G4クロロ錯イオンH2 強塩基性陰イオン交換樹脂I3 83
放射線取扱主任者試験実務4
問4 次の文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
標識された化合物を取り扱う際には、 その化学的 ・ 物理的性質を十分理解し、 安全取扱について心懸けるとともに、 異常事態等が発生した場合の対処方法をあらかじめ検討しておくことが望ましい。ここでは、排気、排水にかかわる事例を検討する。計算には、告示(放射線を放出する同位元素の数量等を定める件)別表第2に定められた値を参照することにし、その抜粋を文末に示した。 本来、 空気中濃度限度は放射線業務従事者が立ち入る場所における(A2 1週間)の平均濃度について、 排気中濃度限度は排気口における( B 4 3月間)の平均濃度について定められているが、 以下の想定事例では、異常事態を想定して求めた濃度を告示で示された濃度限度と比較することにした。
(1) 室内空気中濃度
100MBqの14Cで標識された炭酸水素ナトリウム粉末を溶解する際に誤って(C 3 塩酸)を加えたところ、 放射性の二酸化炭素が発生した。 その際、 排気設備が故障して換気が行われていなかったものとして、14Cの全量100 MBqが二酸化炭素として室内に拡散したという想定事例について検討してみる。
作業室の容積が50 m3であるとき、放射性の二酸化炭素がこの作業室に均一に拡散したとすると14Cの空気中濃度は空気中濃度限度の(D3 0.67 )倍となる。 その状態で、実験者の室内滞在時間が15 分間だとすると、吸入摂取量は最大で ( E4 0.6 ) MBqとなると見積もられ、預託実効線量は(F 4 4)µSv となる。ただし、その実験者の呼吸量を毎分20リットルとする。
実験者には、 実験に当たって、 放射性気体の発生の可能性を理解させ、 実験開始前に排気設備の稼働状況を確認させることが必要である。
また、 室内の放射性の二酸化炭素濃度を測定するには、 エアサンプラーで実験室内の空気を( G1 モノエタノールアミン水溶液 )に通して二酸化炭素を捕集することになるのでサンプリングの機材を準備し、サンプリングした試料の測定は ( H2 液体シンチレーションカウンタ ) で行うこととした。
(2) 排気中濃度
換気中のフード内で0.4GBqのトリチウムで標識されたメタン全量が飛散するという事例について検討する。 トリチウムの飛散を生じた時点を含む8時間平均のトリチウムの排気中濃度は排気中濃度限度の約(I3 0.3 )倍となる。作業室の容積が50 m3、換気回数は1時間当たり5回とする。
実験者にはトリチウムの取扱方法に注意するとともに、 トリチウムの捕集装置を備えたグローブボックスを使用することにした。
(3) 排水中濃度
32Pで標識されたリン酸ナトリウムを誤って流しに流した事例を検討する。まず、貯留槽中の放射能を定量する。トリチウム(HTO)、および32P(リン酸イオン)が、それぞれ6および0.6Bq/cm3 であったとき、排水中濃度限度との比の和は(J5 2.1)となる。排水中濃度限度との比の和が1を超える場合には、希釈するかまたは減衰後に排水するかの判断をする必要がある。なお、()内は使用 記録から推定される化学形である。
これまで、 実験廃液は、 核種や溶液の化学的性質を考慮して、 保管に適した廃液保管容器を準備するとともに、器具の洗浄は少量で数回繰り返し、洗浄液も廃液保管容器に回収することを周知してきたが、 さらに廃液の管理を徹底するように注意した。
1 1日間 2 1週間
6 1年間
1 エタノール含有水
4 アンモニア水
3 1月間 , 4 3月間 5 6月間
2 水酸化ナトリウム水溶液5 炭酸バリウム水溶液
8
1 0.15
6 4.5
1 0.1
6.3
1 0.2
6 20
2 0.33 7 6.7
2 0.2 7 4
2 0_4 7 40
3 0.67 8 20
3 0.4 8 6
3 2
8 100
4 1.3
4 0.6
4 4
5 2.0
5 1
5 10
1 モノエタノールアミン水溶液
3 希塩酸
5 シリカゲル
1 NaI(T1)シンチレーションカウンタ
3 GMカウンタ
5 Si(Li)検出器
メンブレンフィルター 活性炭フィルター
モレキュラーシーブ
1 0.1
6 3.0
< Jの解答群>
1 0.1
6 3.0
2 0.2 7 4_0
2 0.2 7 5.0
3 0.3 8 6.0
3 0.6 8 6.0
4 0.6
4 1.2
5 1.0
5 2.1
[解答]A2 1週間B4 3月間C3 塩酸D3 0.67 E4 0.6 F4 4 G1 モノエタノールアミン水溶液 H2 液体シンチレーションカウンタ I3 0.3 J5 2.1
放射線取扱主任者試験実務5
問5 次のI、 Ⅱの文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 内部被ばくは、 体内に取り込まれた放射性物質からの放射線による被ばくである。 取り込まれた放射性核種は、 その物理的半減期 (Tp) で減少するが、 核種や化学形によって異なる体内分布をとり、 排泄などで体内から排出されるまでその組織または臓器を照射する。 さらなる取り込みがないときに、 生体が代謝や排泄などにより取り込んだ物質の半分を取り除くために要する時間を生物学的半減期 (Tb) と呼ぶ。 体内における放射性核種は、 物理的半減期と生物学的半減期の双方を考慮した有効半減期(Te)に従って減少する。有効半減期(Te)は、以下の式Te=(A A5 TbTp/ Tb+Tp )により求められる。
告示 (放射線を放出する同位元素の数量等を定める件) 別表第2で定められている実効線量係数の算出に用いられた成人におけるトリチウム水の生物学的半減期は、摂取量の97%については10日、残りの部分については ( B 3 40日 ) である。 近似的に、 摂取量の100%について生物学的半減期が10日であるとみなすと、 トリチウムの物理的半減期が約(C5 12年 )であることから、上記の式に従うと、成人におけるトリチウム水の有効半減期は約(D3 10日 )と算出される。 なお、 生物学的半減期は化学形により異なる。 有機結合型トリチウムに対して用いられた成人における生物学的半減期は、 摂取量の(E4 50%)については10日で、 残りの部分については ( B 40日) である。
しかし、最近の研究から、体内に取り込まれたトリチウムは、その一部が生体内で代謝されてより長期間残存することが明らかになってきており、 その長期間残存する部分の生物学的半減期は成人で1年程度と考えられている。
1 T1。+Tp
21「bTp
6 –
Tl。+Tp
1 5日
6 5年
1 8日
6 30年
1 5日
6 135日
11 12年
2 10日7 10年
2 14日
7 5,730年
2 7日
7 200日12 30年
Tb+Tp
3 –
2
3 40日8 12年
3 88日
3 10日
8 210日13 50年
10-
4 100日
4 5年
4 12日9 330日
5 1年
5 12年
5 30日10 5年
[解答]A5 TbTp/ Tb+Tp B3 40日 C5 12年 D3 10日 E4 50%
1 1%
6 97%
2 3% 7 99%
3 10%
4 50%
5 90%
Ⅱ 放射性核種による被ばくと長期間にわたる放射線量の集積を規制するために、預託線量という概念が導入された。 これは、 取り込まれた放射性核種から、 特定の期間内に与えられると予測される総線量であり、 放射線管理の上では、 その放射性核種を摂取した時点でこの線量を受けたものとして取り扱う。 成人に対しては摂取時から ( F 3 50年間) の総線量を評価し、 幼児や小児に対しては摂取時から(G9 70歳までの総線量を評価する。
職業被ばくについて、国際放射線防護委員会(ICRP)は、1990年及び2007年の基本勧告で、定められた5年間の平均が1年当たり20 mSvで、いかなる1年間についても50 mSvを超えるべきではないという実効線量限度を勧告している。 実際に内部被ばくが生じたときの線量評価については、様々な測定により取り込まれた放射性核種の体内摂取量を推定し、その核種に対して告不(放射線を放出する同位元素の数量等を定める件) 別表第2 (抜粋を下表に示す) で定められている実効線量係数を用いた計算により預託実効線量を評価する。例えばトリチウムを、 トリチウム水として5.5kBq、メタン以外の有機物として0.5kBqを経口摂取した場合の預託実効線量は(H10 9.0×10-6 )µSvと評価できる。
我が国における排液中又は排水中の濃度限度は、 公衆の被ばくを考慮して、 この濃度の水を(I8 生まれてから70歳まで )飲み続けたとき、 経口摂取による内部被ばくの平均実効線量が1年当たり1mSvとなるものとして定められている。 この計算においては、 各年齢層に対する実効線量係数及び年間摂水量が考慮されている。年齢別の実効線量係数は、ICRPのPublication72で3か月、1歳、5歳、10歳、15歳、成人に対して計算が行われており、 例えば3Hを経ロ摂取した場合の実効線量係数は、 年齢の増加に伴って(J2 減少)する。
1 10年間
6 20歳まで
1 g.0×10 -6
6 2.4×10 -4
11 2.3×10 -1
1 20年間
4 100年間
2 30年間 3 50年間 4 70年間 5 100年間
7 30歳まで 8 50歳まで 9 70歳まで 10 100歳まで
2 2.1×10 -5
7 g.0×10 -3
12 2_4×10 -1
2 30年間
5 生まれてから20歳まで
7 生まれてから50歳まで 8 生まれてから70歳まで< Jの解答群>
1 増加
2 減少
[解答]
F3 50年間G9 70歳までH10 9.0×10-6 I8 生まれてから70歳まで J2 減少
放射線取扱主任者試験実務6
問6 次のⅢの文章の□の部分について、 解答群の選択肢のうち最も適切な答えを1つだけ選べ。
I 放射性壊変の過程でγ線に加えて、 飛程の短いα線やβ線を放出する核種は、 がんの診断と治療を同時に行うことができる核種として注目されている。 このような核種の1つである131Iを標識した化合物 (液体状) を使った動物実験において、 組織Xにおけるこの131I標識化合物からのβ線による吸収線量が0.5Gy程度となるのに必要な放射能について考えてみよう。 ただし、組織Xに集積していない131I標識化合物からの影響は考慮しないこととする。はじめに、131Iの物理的半減期は( A A6 8.0日) であり、1壊変当たりのβ線の平均エネルギー(180keV・Bq-1・s-1) がすべてこの組織Xに吸収されると仮定する。 また、 集積後のこの組織Xからの排出は起こらず、新たな集積はなく、組織Xの重量の変化もないと仮定する。組織Xにおける、十分長い時間にわたる総壊変数(累積放射能) A[Bq・s]は、時刻t[s]における放射能A[Bq]を集積後 (時刻t=0) から十分長い時間 (時刻t=無限大) まで積分したときの関係式
A=( B B7 A0×T1/2÷1n2 )により計算することができる。上式において、A0[Bq]は、組織Xに集積する放射能の初期値、T1/2[s] は、 131Iの物理的半減期である。 ここで、 組織Xの重量は24gで、 この131I標識化合物を静脈投与直後に投与放射能の30%が組織Xに集積すると仮定する。
以上の仮定及び計算式を用いることにより、 動物1匹当たりに必要な投与する放射能は(C 3 1.4 )MBqと概算できる。また、使用予定の放射能は、使用場所での3月間使用数量、及び(D 3 1日最大使用数量)を超えないことが必要であるが、 特に、 複数匹を使用する動物実験においては、 より一層の注意を払ってこの点の確認を行うようにする。
1 2.0分6 8.0日
1 AoXT1125 AoXT112X3.7
1 0.426 58
1 1月間使用数量
2 10分 3 20分 4 110分 5 13時
[解答]
問7 60日 8 30年
Ao÷T112 3 AoXT1/2X0.5 Ao÷T1/2X3.7 7 4oXT,/2÷1n2
2 0.60 3 1.4 4 2.0 7 1,400 8 5,000
2 1週間使用数量 3 1日最大使用数量
13
[解答]A6 8.0日B7A0×T1/2÷1n2 C3 1.4 D3 1日最大使用数量
Ⅱ 非密封放射性同位元素を取り扱う場合には、 外部被ばく に対する管理の他に、 吸入摂取などによる内部被ばくの管理が必要である。 放射性ヨウ素131Iは、 壊変の過程で主に ( E 13 3.65×105 ) eVのγ線を放出するため、鉛ブロツク等による線源の遮蔽による外部被ばくの防止に努める。また、131Iの吸入摂取を防ぐためには、 作業時の活性炭マスク着用や、 作業をフードやグローブボックス内で行うことが重要である。 内部被ばくでは、 放射性同位元素の種類や存在形態などにより、 特定の臓器に集積するものがあるため注意が必要である。90Srや226Raは、(F4 カルシウム)と似た化学的性質を有するため ( G10 骨 ) に集積する。
また、 ヨウ素が ( H 11 甲状腺) ホルモンの材料であることから、131Iは ( H 11 甲状腺) に取り込まれる。 一方、放射性セシウムは、( I5 カリウム)と化学的性質が類似しており、 経ロ摂取すると消化管から吸収されて全身に分布する。
放射性物質を万一大量に摂取してしまった場合、 体内からすばやく排除するための手段を講じることが重要である。放射性ヨウ素に対しては、摂取後すみやかに薬剤として安定ヨウ素剤を投与する。 放射性セシウムを摂取した場合には、 (J3プルシアンブルー)を投与する。 セシウムイオンがこの薬剤に吸着されることにより、消化管からの吸収を阻害する。
E13F4G10H11I5J3
1 1.31×1O -8
6 1.86
11 3.65×10 2
1 亜鉛
6 アルミニウム
11 甲状腺
< Jの解答群>
1 EDTA
2 1_31×10 -5 7 3.65
12 1.31×10 5
2 鉄
7 筋肉
12 脳下垂体
3 1.86×10 -5 8 1.57×10 l
13 3.65×10 5
3 銅
8 肺
13 副腎皮質
4 1.86×10 -2 9 1.86×10 1
14 1.86×10 6
4 カルシウム9 脳すい
14 膵島
5 3.65×10 -1 10 1.86×10 2 15 8.65×10 6
5 カリウム10 骨
4 アルギン酸ナトリウム
[解答]E13 3.65×105 F4 カルシウムG10 骨 H11 甲状腺I5 カリウムJ3プルシアンブルー