放射線に関する資格
放射線は使い方を間違えると大変危険です。
なので、それを安全に取り扱うには知識を持つ必要があります。
何でもそうですけどね。
放射線は目に見えず、しかも細胞を殺してしまう恐ろしいもの。
とは言っても、病院でレントゲンを撮っても被曝しますから、
使い方とその被ばく線量さえ間違わなければ大丈夫ですし、
我々は日常で放射線を浴びていますから、
特に普段から怖がる必要はありません。
しかし、量を間違えないというのは必要でして、
そのためには安全な知識で取り扱うための資格が必要となります。
診療放射線技師という資格
放射線に関する資格には、
医療で使うには診療放射線技師が必要で、
俗にいうレントゲン技師の資格なのですが、
これは、国家試験があり、その受験資格として大学や専門学校に通う必要があります。
なので、診療放射線技師になるには、
通常はその専門の大学や学校などの受験が必須となります。
放射線は、医療以外でも使われるため、医療以外で放射線を扱うのに必要な資格があります。
医療では診療放射線技師、それ以外はまた資格があるというわけです。
医療以外の放射線の資格
並べてみると、
第1種放射線取扱主任者
第2種放射線取扱主任者
第3種放射線取扱主任者
エックス線作業主任者
ガンマ線透過写真撮影作業主任者
作業環境測定士
というものがあります。
放射線取扱主任者とは
放射線は、
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
通称 放射線障害防止法
という法律で規制されていて、
放射線を取り扱うには、
この法律に従って業務を遂行する義務があります。
放射線障害防止法に従って放射性物質を取り扱ったり、
運搬したり、廃棄までがこの放射線障害防止法で規制されます。
そういった業務をするうえで必要なのが放射線取扱主任者です。
危険度に応じて必要な資格がランク付けされていて、
第1種から第3種まであり、第1種が最も難しい試験となります。
病院でレントゲンやCTを撮ったり、放射線治療の機器も本来はこの資格が必要なんです。
しかし、診療目的の場合は、医師または歯科医師が放射線取扱主任者となれるため、
診療に関しては、抜け穴となっています。
それなりに難易度は高い資格なので、いちいち医師が取得義務を負っていたら
小さな町のクリニックなどではレントゲンの装置は置けなくなってしまいますからね。
しかし、レントゲンの装置でも、診療目的以外に使用するときは、
放射線取扱主任者の資格が必要となります。
つまり、病院にCTがあるからと言って、
動物のCTを見てみたいなんて言ってCTを撮ったりしては
本来はダメなんですよね。
そういった研究などの目的やほかの目的で放射線を扱うには
基本的に放射線取扱主任者が必要なんです。
放射線を使うということは、誰かに当たる可能性があるわけですから、
適当にやってよいわけではなく、資格が必要なのです。
エックス線作業主任者とは
そして、多少限定的な資格になるのですが、
エックス線作業主任者というものがあります。
非破壊検査で知られますが、
エックス線は基本的に放射性物質から出るわけではなく、
エックス線発生装置というものがつかわれます。
装置なので、放射性物質のように漏れる事故などがなく、
電気を流してビーッと出すものなので、スイッチで出すことができるわけで、
エックス線を出している間以外は危険がないわけです。
なので、それを限定的に工業などに使える資格がエックス線作業主任者です。
ガンマ線透過写真撮影作業主任者とは
さらに、ガンマ線透過写真撮影作業主任者ですが、
系統としてはエックス線作業主任者と似ていますが、
文字通りガンマ線を使います。
ガンマ線は物理的性質がエックス線と同じなので、
写真に使えるのですが、
放射性物質から出るので、漏れる可能性などがありますので、
そこがエックス線と違うわけで、
用途目的は同じでも取り扱い方が全く違うため、別の資格となるわけです。
作業環境測定士とは
作業環境測定士は、また別な資格となります。
受験科目を見ればわかりますが、放射線に関係するものは一部で、
労働作業者の健康を守る目的で必要とされる資格です。
放射線に関係する資格は目的によっていくつかありますが、
放射線取扱主任者や診療放射線技師の免許を持っていると、
一部受験科目が免除を受けられたりしますので、
放射線に関係する仕事に進む場合には、
頭に入れておいて損はないかもしれませんね。