レントゲンってかけるの?
レントゲンをかける。
とか、
レントゲンを浴びる。
なんて聞きますが、
それは、すっかり定着した言葉なので、
そんなに間違っているとは言えないのかもしれませんが、
真実はどうなのかというと、レントゲンというのは、
人の名前です。
では、いったいどういう人なのでしょうか?
実験中に偶然発見した現象から、それまで未知だった光が存在するとわかり、
1895年に発表されたそれをレントゲン線なんて呼んだりしていたことから、
今でもその名残としてレントゲンをかけるなんて
年配の方々は言ったりもしますが、
当時レントゲン線と呼ばれていたものは、
今は基本的にX線(X-ray)と呼ばれていて、
ただし、レントゲンという名前が残っていることから、
また、診療放射線技師の原型ともいえる診療X線技師が
通称レントゲン技師という名前から、
レントゲンという言葉が定着したのでしょう。
1995年でレントゲン発見100周年ですから、
発見からもう120年以上前にもなるんですね。
さらに、X線以外の放射線が医療で使われるようになったのが、1951年ごろからですので、
他の放射線が一般的になるには時間がかかったため、
放射線と言えばレントゲンというのが定着した一因ともいえるでしょう。
放射線とレントゲンの違いを教えてなんて言われることがありますが、
違いというよりは、レントゲンはそもそも人の名前なので
と言えばそれまでなんですけど、
質問の意図を考えますと、レントゲンをX線とするならば、
X線は放射線の一種と言えますので、
レントゲンは放射線の一種と言っても良いかもしれません。
レントゲンの性質
レントゲン、つまりX線は、放射線の一種ですので、
物理的性質が違います。
名前だけをあげるならば、放射線には、
X線、α線、β線、γ線、電子線、陽子線、重粒子線、中性子線がありますが、
名前が違うということは、当然、これらには違いがあるのですが、
X線はこの中の一つにすぎないのです。
そして、最も扱いやすい放射線ですので、
医療だけでなく、非破壊検査などにも利用されています。
だから一番メジャーな放射線とも言えます。
それでも少し遠い存在かと思われるかと思いますが、
X線だけでなく、放射線は、
あなたが思っているよりも意外な身近なところで、
使われているんですよ。
浴びすぎるとヒトにも悪影響がありますが、
たくさん浴びせれば菌も生物ですので、死滅します。
農業で殺菌に使ったり、害虫駆除にも使えます。
工業にもいろんなところで使われ、火災報知器なんかでも、
放射線を使うタイプがあったりもします。
レントゲンは物理学者
少し話はそれましたが、まとめると、
レントゲンは、ドイツの物理学者で、
のちに何種類も発見される放射線のうち、
現在X線と呼ばれるものを1895年発見して発表した人です。
発表したのがレントゲンですから、
名前が定着しないうちにX線をレントゲン線とかレントゲンと呼んだり、
X線を診療に利用した仕事をするレントゲン技師という職業があったため、
レントゲンが通称で使われたりしていていました。
さらに現在はX線だけに限らないものを扱うため、
カバーするために診療放射線技師という職業になっていったため、
混同されたのだと思います。
ですが、
診療放射線技師は、放射線技師とか、レントゲン技師とか呼ばれますが、
正式名称は診療放射線技師ですが、
堅苦しいですから、一般的には放射線技師とかレントゲン技師でも
通じれば良いかと思います。
レントゲンという名前が、言葉として定着しすぎて、
これからX線という言葉がレントゲンよりメジャーになることがあるかどうかわかりませんが、
若い世代の人よりも年配の方の方がレントゲンという言葉を使う傾向がある気がするので、
時代が変われば、
海外の基準に合わせるために
一般でもX線という言葉の方が使われる時代が来るかもしれませんね。
学会等でも国際化が進んでいて、将来的には大きな変化の流れになってきていることでしょう。