放射性物質って放射線と違うの?
放射性物質ってよく聞くけど、
一体何なのでしょうか?
まず物質について考えていきましょう。
まずあなたに想像してもらいます。
できるだけ小さな粒を思い浮かべてみてください。
どんなものが想像できますか?
ゴマ粒?米粒?塩の粒?
物質はどんどん細かくしていくとそんなものではすまない
とてつもなく小さな粒にまでなります。
原子です。
あなたが想像した粒が1ミリだったとします。
原子は10‐10mほどの大きさしかありません。
10‐7ミリってことになりますから、
1ミリの1,000分のさらに1の1万分の1になります。
原子核に至ってはその10万分の1ともいわれています。
そんな細かい粒見えるわけないですよね?
そんな細かいものなんです。
そして、原子核は、陽子と中性子でできており、その周りを電子が回っているのです。
水兵リーベなんて、高校の化学か何かでやるかと思いますが、
水素、ヘリウム、リチウム…と続いていきますが、
その違いを知っていますか?
原子の種類の違いって何?
答えは陽子の数です。
陽子の数で特徴が違うので、陽子の数で種類分けしているわけです。
陽子が1個だったら水素、陽子が8個だったら酸素。
陽子の数で元素の種類が変わるわけで、
それを表したのが元素周期表です。
陽子の数を表すのが原子番号といい、水素は原子番号が1、酸素は8となります。
そして、もう一つの原子核の構成要素が中性子です。
陽子の数で物質の特徴が決まりますが、
中性子の数が違ってもある違いが出てきます。
それは少し置いておいて、
陽子と中性子の数を足したものを質量数といいますが、
水素だと1H、2H、3Hという風に左上に質量数を書いて、
水素の場合この3種類のがあります。
これは、陽子と中性子を足したものですので、
陽子が1個で、中性子が0個、1個、2個ということになります。
そして、この3つを同位元素といいます。
陽子の数、つまり原子番号が同じだと同位元素となります。
そして、この3つのうち、3Hは、他の2つと違います。
なぜかというと、エネルギーが余っていて不安定なのです。
人間と一緒でエネルギーが有り余ると暴れだすのです。
不安定で暴れだすというのがどういうことかというと、
エネルギーの放出、それが放射線なんです。
水素のうち3Hだけが放射線を出すのです。
そして安定な状態になるのです。
放射性同位元素
これが同位元素のうち放射線を出すもの。
つまり放射性同位元素となるわけです。
他の2つは安定同位元素といいます。
放射性物質は、だいたい放射性同位元素と一緒と思ってもらってよいです。
放射性物質は、不安定でエネルギーを放出するのですが、
それは放射性同位元素1個あると基本的には1本放射線を出します。
なので、イメージしているような放射性物質から多量の放射線が出るというより、
1本放射線を出す物質がたくさん集まっているから、
その1個1個が四方八方に放射線を飛ばすため、
放射線が四方八方に飛んでいるイメージになるのです。
放射性同位元素から必ず安定になるわけではなく、
放射性同位元素から別な放射性同位元素になる種類もありますし、
何度も何度も放射線を出しながら、
放射性物質からまた別な放射性物質、またさらに別な放射性物質になっていくものもあります。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
あなたの身の回りにあるものはだいたい
放射線を出しませんよね?
それが安定同位体でできていて、
それもいろんな種類の安定同位体で出来ています。
それが、不安定で放射線というものを出す場合には、
放射性同位元素、放射性物質と呼ぶわけです。
自然界にもたくさん存在していて、
カリウムなどは自然に放射性のものが混ざっていますから、
あなたの周りにも微量ながら放射性物質はあるんですよ。
放射性物質の種類はたくさんありますので、
ここでは紹介しきれませんが、酸素や窒素にも放射性のものがあります。
意外と身近なところに存在するんですよ。